米McAfeeは5日、犯罪グループによるインターネットを利用した違法行為に関する調査をまとめた「McAfee Virtual Criminology Report(マカフィー犯罪学レポート)」を発表した。調査では、情報詐取がインターネット犯罪の中で最大の被害を及ぼしており、またウイルスがビジネス面で最大のコスト被害を与えているとしている。
調査では、インターネットを利用した主な犯罪として、窃盗、詐欺、ゆすり、マネーロンダリングなどを挙げ、インターネットが犯罪者に対して魅力的な匿名性を与えていると指摘。関係者の予測として、これらの犯罪者のうち逮捕ないしは有罪判決を受ける者は5%前後に過ぎないとの見解を示している。
2000年以前には、インターネット上の犯罪のほとんどは単独犯行、犯罪者の自己顕示を目的としていたが、現在ではプロの犯罪者が集団でインターネット上で犯罪を行なうようになっているという。こうした現象の理由については、インターネットを使うことで比較的低リスクで大きな利益が得られることを挙げ、FBIによれば2004年のインターネットを利用した犯罪の被害額は約4,000億ドルに上る見込みだとしている。
特に、ウイルスはこれまでは製作者が自分の腕前を誇示する目的で作られていたが、現在ではウイルスが犯罪者にとって重要な攻撃ツールになっていると指摘。ウイルスの感染により外部からリモートコントロールされる多数のPCからなるネットワーク「ボットネット」によって、大量のスパム送信やフィッシング詐欺が引き起こされているとした。また、これらのボットネットは、犯罪者に対して1時間200~300ドルでレンタルされるケースもあるとしている。
レポートでは、こうしたインターネットを利用した犯罪の高度化の一方で、多くの法的機関がこうした犯罪に対して効果的に活動するためのツールが不足している点を懸念している。また、企業や政府機関に加えて消費者の側も、インターネットを利用した犯罪組織が拡大していることを認識し、それぞれがネットワークやPCを保護するための適切な措置を講じなければならないとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.mcafeesecurity.com/us/about/press/corporate/2005/20050705_110140.htm
McAfee Virtual Criminology Report(英文)
http://www.mcafeesecurity.com/us/local_content/misc/mcafee_na_virtual_criminology_report.pdf
( 三柳英樹 )
2005/07/06 17:31
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