米Microsoftが、同社の元バイスプレジデントであるKai-Fu Lee氏と、同氏を中国研究所長として引き抜いた米Googleを相手取り、Lee氏の就任を差し止める訴えを起こしていた件で、ワシントン州高等裁判所は7月28日、Microsoftの主張を受け入れ、Lee氏がGoogleでの業務に就くことを差し止める仮処分決定を下した。
Googleは、中国に今秋開設予定の研究開発センターの所長にLee氏を就任させようとしていたが、これに対してMicrosoftは同氏の引き抜きを「守秘義務違反」と主張。Lee氏が、Microsoftの検索技術および中国戦略の企業秘密を直接知る立場にあったと指摘していた。Lee氏は1998年から7年間ほどMicrosoftに在籍し、入社時に知的財産権についての守秘契約および競合他社への移籍を制限する契約を結んだという。
一方Googleでは、Lee氏は米Apple Computerや米Silicon Graphicsなどにも在籍した経験を有しており、引き抜き自体に特に問題はなかったとして争う構えを見せていた。Googleは仮処分を担保するため8月2日までに100万ドルを納めること、9月6日に出頭することが命じられた。なお、公判は2006年1月9日に設定された。
人材の引き抜きはこの業界では頻繁にあるが、今回の争いは巨大な市場である中国を見据えたものだけに、主戦場が米国であるとはいえ注目される。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.metrokc.gov/kcsc/rulings/msgoog.htm
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・ 幹部の引き抜きを巡って米Googleと米Microsoftが法廷闘争へ(2005/07/20)
( Gana Hiyoshi )
2005/08/01 16:05
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