トレンドマイクロは4日、2005年7月度の「ウイルス感染被害レポート」を発表した。報告件数は2,295件で、6月の2,490件から若干減少した。報告件数が最も多かったウイルスは「WORM_RBOT」の101件。「TROJ_SMALL」が96件、「WORM_SDBOT」が90件、「JAVA_BYTEVER.A」が88件と続く。
トレンドマイクロによれば、ウイルス感染被害の総報告数には大きな変化はない。しかし、ランキング内のウイルスであっても個別の問い合わせ件数は減少しており、ウイルス被害の質が変化している。これまでの、不特定多数への大規模感染タイプから特定の対象を狙った犯罪的な被害へとシフトしているという。
変化の例として、7月に発生したオンラインバンクの不正引き出し事件に関連するウイルス「TSPY_BANCOS.ANM」を指摘。TSPY_BANCOS.ANMは、オンラインバンクにアクセスした際のキー情報を外部に送信するウイルスで、口座番号やパスワードを入手した犯人が、オンラインで不正な取引を行なったという。
こうしたウイルスは、メールなどでクリックを誘導させるソーシャルエンジニアリング的な騙しの手法で感染する。ウイルス自身にはメール送信する機能はないが「犯人がターゲットを限定し、事前に十分な準備をした上で不正プログラムをメールで送付したもの」(トレンドマイクロ)と分析している。
関連情報
■URL
2005年7月度のウイルス感染被害レポート
http://www.trendmicro.com/jp/security/report/report/archive/2005/mvr050804.htm
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・ 報告件数は少ないが攻撃は悪質化する傾向に~トレンドマイクロ上半期調査(2005/07/07)
( 鷹木 創 )
2005/08/04 12:35
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