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「楽天ブランドのシナジー効果で各事業が好調」~楽天、第2四半期決算


楽天 代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏
 楽天は17日、2005年度第2四半期(4月~6月)の連結決算を発表した。売上高は203億1,000万円(前年同期比87.5%増)、経常利益は68億4,000万円(前年同期比79.7%増)と順調に推移。前年同期で特別損失を計上して赤字だった純損益は、42億7,000万円の黒字となった。

 グループ流通総額は1,140億9,000万円で、前期に続いて1,000億円を突破している。同社代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は、「楽天証券の2万件の新規口座数の30%近くが楽天市場を経由して加入するなど、楽天ブランドの好影響によるシナジー効果が各事業に派生した」と振り返った。

 カンパニー別の売上高では、楽天市場を中心とするEC事業カンパニーが前年同期比58.7%増の78億円で、流通総額および注文件数では前年同期比で60%以上の伸びを示した。新規出店数については1,732件、純増加数は1,097件で、ともに過去最高だった。7月末に楽天市場で発生した個人情報流出事件が、第3四半期以降の決算に与える影響としては、「(8月11日に導入した)『カード決済代行あんしんサービス』が2カ月手数料無料ということもあり、短期的には少し影響を受けるが、中長期的に見れば影響はない」と強調した。


2005年第2四半期の連結業績 EC事業における新規出店・退店の推移

 ポータル・メディア事業カンパニーは、売上高が21億5,000万円(前年同期比63.6%増)、営業利益が5億4,000万円(前年同期比220.2%増)に達するなど、「利益を生み出す事業と呼ぶにふさわしい段階に成長した」という。6月には調査会社のサイバーブレインズを買収しており、主な収益源である広告以外にリサーチ事業を強化する考えを示している。

 トラベル・エンターテインメント事業カンパニーの売上高は15億9,000万円(前年同期比25.7%増)。宿泊施設に課す手数料を値上げする新契約体系を5月に発表したことにより、登録店舗数の減少が懸念されるが、手数料値下げキャンペーンを実施することもあり、「ほとんどの企業と契約できた」という。2005年第4四半期には、楽天トラベルの国内宿泊サービスを対象としてカード決済に対応する。なお、決済システムとしては楽天市場と同様で、楽天トラベルがカード会社と契約するため、宿泊施設にカード番号を提供しない仕組みを採用する。

 また、第1種旅行業の免許を取得したことで、9月からは海外パッケージ旅行商品の提供が可能となった。そのほか、高速バス事業を手がけるスター・ツアーズ・ジャパンを買収しており、2005年末までに高速バス予約事業を開始する予定だ。将来的には、高速バス予約と宿泊予約を合わせたパッケージ商品を提供するという。

 「すべてが好調」という金融事業カンパニーの売上高は60億3,000万円(前年同期比71.1%増)。楽天証券の1日あたりの売買代金では松井証券を抜き、イートレード証券に次ぐ第2位に浮上した。新規口座数についても、手数料引き下げを行なった結果2位となったほか、新規口座数の伸び率ではトップとなった。

 このほか、プロスポーツ事業カンパニーでは、「一般チケットの販売数やスポンサー事業が好調だった」ため、売上高は前期の2億3,000万円の1300.3%増となる33億5,000万円と急増。前期に8億1,000万円の赤字を計上した営業利益は、9億8,000万の黒字に転換した。ペナントで苦戦中の楽天イーグルスについて、三木谷氏は「チームが勝利を収めた場合にインセンティブを支払う設定をしていたものの、当初予想していた勝ち数よりかなり少なかった。インセンティブ負担が軽かったことも収支に関係している」と付け加えた。


関連情報

URL
  決算説明会
  http://www.rakuten.co.jp/info/ir/meeting/

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( 増田 覚 )
2005/08/18 15:43

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