ドイツ内務省および情報技術安全局(BSI)は19日、連邦政府レベルで初となるITセキュリティに関する報告書を公開したと発表した。インターネットのみならず、モバイル通信や無線LANに存在するウイルスやワーム、スパムメール、詐欺など、ITセキュリティに関するあらゆる情報や防御方法を掲載している。
報告書によれば、2004年下半期に1,400件の新たな脆弱性が発見された。これは、上半期に比べて13%の増加だという。ウイルスやワームについては7,300件の新種が発見され、こちらは60~70%の伸びだという。このうち、トロイの木馬の変種が最も多かった。また、スパムやフィッシング被害も急増している実態が浮き彫りにされた。
しかし、民間企業の対策は後手に回っている。IT企業のうち、書面でIT関連のセキュリティ対策を公表している企業は半数に止まっている。スパムについての対策も後手に回っており、少なくとも9%の機関においてスパムでメールが使用停止に追い込まれた例があるという。
報告書の発行に際してBSI局長を務めるUdo Helmbrecht博士は、BSIを今後、ITセキュリティの中心的な指揮センターとして機能させることを考えており、情報収集のほか、積極的に防御策の提案や犯罪の防止法の模索を行なっていきたいとしている。ドイツでも連邦政府レベルでいよいよITセキュリティ対策に本腰を入れたと言えそうだ。
関連情報
■URL
ニュースリリース(独文)
http://www.bsi.bund.de/presse/pressinf/190805lagebericht.htm
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( Gana Hiyoshi )
2005/08/22 15:47
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