総務省は22日、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を利用した住民参画システムと、公的個人認証サービスを利用したオンラインアンケートシステムの開発を行なう研究事業を実施すると発表した。地方公共団体などによる住民への情報提供や住民の意見表明の場の提供方法としてITの活用を検討する「ICTを活用した地域社会への住民参画のあり方に関する研究会」における議論を踏まえた形で、実証実験を実施する。
同事業では、地域NPOなどの主催による地域SNSを運営し、電子会議室において議論のテーマや到達目標などを定め、意見集約の過程などを検証する。また、自治体などが利用できる公的個人認証により本人確認が可能なオンラインアンケートシステムを開発し、SNSでの議論や意見交換と組み合わせられるようにする。
実証実験は、東京都千代田区および新潟県長岡市で12月をめどに開始する。SNSの参加者は住民および同地域に通勤・通学する人などを想定しており、既存のSNSのように既存会員の紹介がなければ入会できない形ではなく、広く参加者を募る方向だという。ただし、SNS内に作られるコミュニティには、参加者を限定できる機能を設けることなども検討している。
千代田区では、実際に居住している住民(約4万人)だけでなく、通勤・通学者(約80万人)の意見を行政に反映させる方法として、SNSやアンケートなどの仕組みが利用できるかを主に検討する。また、長岡市では、2004年に発生した新潟県中越地震を受けて、災害時の情報共有手段としてもSNSが有効に活用にできるのではないかという観点から、災害時だけでなく普段からSNSを利用してもらうための方法などを検討していく。
実証実験のシステム開発については、地域SNSはNTTデータ・コミュニティ・プロデュース、公的個人認証サービス対応アンケートシステムは松下電器産業およびパナソニックシステムソリューションズがそれぞれ選定された。
関連情報
■URL
ICTを活用した地域社会への住民参画事業に係る事業者の選定結果について(総務省)
http://www.soumu.go.jp/kokusai/ict_kenkyukai_050822.html
ニュースリリース(NTTデータ・コミュニティ・プロデュース、PDF)
http://www.nttdata-cp.co.jp/050822release.pdf
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・ ブログやSNSを利用した実名コミュニケーション教育を提言~総務省研究会(2005/06/28)
( 三柳英樹 )
2005/08/23 14:53
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