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親と子供が最も懸念する脅威はウイルス感染~シマンテックの世代間調査


 シマンテックは24日、7月中旬に実施した「インターネット利用に関する世代間調査結果」を発表した。調査を委託されたインフォプラントによれば、調査対象は中高生の子供を持つ男女600名、ならびに中高生の男女約577名。


ネットの脅威を懸念する親、危険性への関心度が低い子供

インフォプラント マーケティングリサーチャーの松澤治光氏
 調査によれば、週あたりのインターネットの利用回数は、親が10.42回、中高生が8.53回で、週に7回以上利用する割合は、親が89.8%、中高生でも78.4%に上っている。1回の利用あたりの接続時間は、親が平均130.55分、中高生が124.28分で、ともに2時間程度だった。

 利用内容における親子間の顕著な差異としては、親世代では「国内のネットショッピング・予約サービスなど」(76.2%)、「ネットバンキング」(61.2%)などが挙げられた。中高生世代では「掲示板への投稿・チャット」(52.7%)や「オンラインゲーム」(45.4%)、「音楽や映画などのダウンロード」(34.0%)が目立っている。

 インターネットで懸念する脅威については、親の86.3%、中高生の73.7%が「ウイルス感染」を挙げており、親・中高生ともに最も多かった。また、親世代では「スパムメール」「スパイウェア」「不正アクセス」「オンライン詐欺」など広く不安を抱えているが、中高生世代ではこれらを挙げる割合がいずれも小さく、「インターネットの危険性に対する関心度の低さが伺える」(インフォプラント マーケティングリサーチャーの松澤治光氏)という。親から見て子供が直面しそうな項目としては、「不適切もしくは危険な情報にアクセスする」が79.7%でトップだった。

 流出するのが不安な個人情報としては、「住所」(親 84.0%、中高生 93.4%)、「電話番号」(親 82.8%、中高生 87.7%)、「氏名」(親 62.8%、中高生 53.9%)が過半数を超えた。メールアドレスは両世代ともに3割前後だった。


インターネット利用内容 インターネット利用上の不安点

インターネット利用の決まり事、親が思うほど子供は守らない傾向

インターネット取引での支払い金額
 オンラインで情報登録をした経験については、親は99.0%とほぼ全員、中高生でも88.0%が「経験あり」と回答。登録したサービスの内訳としては、「懸賞サイト」(親 90.5%、中高生 69.0%)、「メールマガジン購読」(親 90.2%、中高生 71.9%)、「ショッピングサイト」(親 79.8%、中高生 42.1%)などが多かった。中高生世代では、学年が高くなるほど登録者割合が高くなり、特に「懸賞サイト」の利用が目立っている。

 1カ月あたりのインターネット取引の支払金額としては、親世代では「5,000~6,000円未満」(24.3%)、「10,000~20,000円未満」(24.1%)が中心だが、中高生世代では「1,000~2,500円未満」が4割を占めた。平均金額は、親が8,321円、中高生が3,785円となっている。決済方法を中高生に質問したところ、「銀行決済」が51.6%でトップだったほか、自由回答で大半が代金引換と回答した「その他」が44.3%、「コンビニ決済」が40.3%と続いた。「ネットバンキング」も34.8%に上る結果となった。

 このほか、インターネット利用について「親子で話し合ったことがある」と回答した割合は、親が40.2%に対し、中高生は20.1%だった。「インターネット利用時の決め事がある」という割合では、親が46.7%に対し、中高生は21.1%に止まった。決まり事があるとした中高生に遵守状況を質問したところ、「守っていることもあるが大部分は守っていない」(11.5%)、「ほとんど守っていない」(5.7%)など、「親が決め事を作っていても、実際は守られていない」(松澤氏)実態が浮かび上がった。


インターネット利用時の決め事 インターネット利用時の決め事の遵守

「有害な物を見せない」では通用しない。子供への早期教育が必要

 今回の調査結果について、シマンテック執行役員副社長コンシューマ事業統括の齋藤秀明氏は、「インターネットの利便性が進む反面、危険性も大きくなってきている。現実世界と異なり、インターネットでは親世代が体験したことのない出来事が起こり得るため、親が子供に対応できないことも多い。学校や家庭によるセキュリティ教育でカバーしきれない部分を、我々がフォローする必要性も感じている」とコメントした。

 また、同社コンシューマ・マーケティング部プロダクト・マーケティング・マネージャの田上利博氏は、「フィルタリングソフトを導入することも有効だが、『有害な物を見せない』だけでは通用しない。インターネットの危険性を親だけでなく子供も正しく理解すべき。そのためには、保護者自身がインターネットの知識を深めた上で、子供への早期教育が必要」と訴えた。


シマンテック執行役員副社長コンシューマ事業統括の齋藤秀明氏 シマンテックコンシューマ・マーケティング部プロダクト・マーケティング・マネージャの田上利博氏

関連情報

URL
  シマンテック
  http://www.symantec.com/region/jp/

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( 増田 覚 )
2005/08/24 18:38

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