ウイルス対策ベンダーのSophosは5日(現地時間)、イスラム教の聖典であるコーランを表示して、アダルトサイトの閲覧を妨害するトロイの木馬ウイルス「Yusufali-A」を発見したとして警告している。
Yusufali-Aは、アクティブウィンドウのタイトルバーをチェックすることによって、Windowsユーザーのアクセス状況を監視する。タイトルバー上に“sex”や“penis”などの単語を発見すると、ウィンドウを最小化し、コンテンツの閲覧を妨害する。さらに、これまで見ていたサイトに代わって、コーランによるメッセージを表示する。
アダルトサイトを開いた状態にしておくと、“For Exit Click Here”(出口はここをクリック)と記したボタンを表示。マウスを動かすと、縦縞を帯びたダイアログボックスに、“OH! NO I'm in the Cage”(なんてことだ、僕は鳥かごの中だ)というテキストが表われる。
ユーザーは、マウスカーソルをダイアログボックス外に動かせなくなる。ダイアログボックスには、「LogOff」「ShutDown」「Restart」というボタンが表示されるが、どのボタンをクリックしても、コンピュータはログアウトしてしまう。
Sophosによれば、他の悪意のあるソフトウェアと異なり、金銭や機密情報を盗み取ろうとするウイルスではないという。同社技術コンサルタントのGraham Cluley氏は、「モラルの番人のように振る舞い、Webサイトの閲覧を邪魔されるのは不快。医療サイトや十代の若者向けソーシャルサイトなど、ポルノ以外のサイトをブロックされることもある」とコメント。ウイルス対策ソフトやセキュリティパッチを最新版に更新し、適切なファイアウォールを設定すべきだと注意を促している。
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それまで閲覧していたアダルトサイトに代わり、コーランによるメッセージが表示される
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マウスカーソルをこのボックスの外側に動かせなくなる
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関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.sophos.com/virusinfo/articles/yusufali.html
( 増田 覚 )
2005/09/07 14:38
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