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Opera無料化の影にGoogleあり


 ノルウェーのOpera Softwareが20日、ブラウザに表示していたバナー広告を除去し、ライセンス料を無料化したが、その背景にはGoogleとの新たな契約というビジネスモデルの転換があったことが判明した。Opera Softwareが上場しているノルウェーのオスロ証券取引所に同日提出された投資家向け資料で明らかになった。

 それによると、今回のバナー広告除去とライセンス料無料化の決定は「検索とサービスパートナーからの売上が徐々に増加した」ことによって可能になったが、それには新たに更新されたGoogleとの契約が含まれるという。このGoogleとの新たな契約の内容としては、ユーザーをGoogleに誘導することに伴う収入に加えて、Googleからマーケティング支援と技術協力を受けることが含まれている。

 2005年上半期のOperaの売上の内訳を見ると、30%がバナー広告による売上、25%がライセンス料収入、45%がGoogleに対するトラフィックの誘導と他の提携パートナーからの収入となっている。したがって、今回のバナー広告除去とライセンス料無料化によってOpera Softwareは短期的に売上の55%を失うことになる。

 しかし同社ではブラウザを無料化することによってOperaの市場シェアを拡大し、結果としてGoogleに誘導するトラフィックを増加。Googleからの収入を増やし、ユーザーあたりの売上を増加させる戦略だ。ちなみに現時点でのOperaの市場シェアは、調査によって異なるが、だいたい1%から3%となっている。

 Operaはタブブラウザの概念を開拓した先駆者であると同時に、ブラウザにサーチバーを搭載し、Googleにトラフィックを誘導し始めた初期のユーザーの1社だ。また、Operaのバナー広告にはGoogleのAdSense広告も含まれていたことから、両社の間には友好的な関係が築かれていたと考えられる。

 今回の契約に伴うGoogleによるマーケティング支援と技術協力に、具体的にどのようなことが含まれるのかは明らかになっていない。一方でGoogleは、Operaの大きなライバルとして立ちはだかっているMozilla Firefoxブラウザの開発者を幾人も採用しており、Google独自のブラウザを開発するのではないかとの憶測もある。


関連情報

URL
  Operaによるオスロ証券取引所への提出書類(英文)
  http://www.newsweb.no/index.asp?languageID=1&symbol=OPERA&
 melding_ID=113673&lang=&date_start=14.09.2000&date_stop=
 31.12.2014&ncat_id=114


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Opera、ライセンス料を無料化(2005/09/20)


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/09/21 11:59

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