米AOLがNetscapeブランドで開発しているブラウザ「Netscape 8.0」を、HPとCompaqが2006年初頭から販売するコンシューマ向けデスクトップPCとノートPCにプリインストールすることで合意したことが3日、発表された。
Netscapeの発表によると、これらのPCの中でNetscapeが自動的にデフォルトブラウザになるわけではないが、初期セットアップ時にNetscapeをデフォルトブラウザとして選択できるようになる。また、Netscapeをデフォルトブラウザとしない場合でも、デスクトップやスタートメニューに表示されるアイコンによってNetscapeブラウザを起動できる。プリインストールされるNetscapeブラウザは独自にカスタマイズされ、HPやCompaqが指定するWebサイトに顧客を誘導するためのタブがあらかじめ用意される。
Netscapeをプリインストールするという決定についてHPのNick Labosky氏は「Netscape 8.0を我々のPCに含めることで、このブラウザの先進的なセキュリティ機能や、インターネットを我々の顧客にとってより安全なものとするその他の機能によって、HPはより安全なコンピュータ体験を提供することになる」とコメント。Netscapeのセキュリティ機能がその決め手となったことを説明した。
Netscape 8.0はMozilla Firefoxのソースコードをベースに開発されており、レンダリングエンジンをFirefoxとInternet Explorerの間で切り替える機能を持つ。そのほかにもタブブラウジング、RSSフィード購読、プライバシー強化、複数のツールバーサポートなど多彩な機能を持っている。
Netscapeのブラウザ市場シェアは各種調査結果では数%台にとどまっている。今回のプリインストールによってブラウザ市場シェアにどれほどの影響もたらすのかは定かではない。
参考までにガートナーデータクエストが7月に発表した2005年第2四半期の世界におけるPCベンダー別出荷台数の速報値によれば、HPの市場シェアは14.6%で、Dellの17.9%に次いで2位の座を誇っている。なお、この数字にはデスクトップPC、モバイルPC、x86サーバーが含まれている。
関連情報
■URL
Netscapeのニュースリリース(英文)
http://media.aoltimewarner.com/media/newmedia/cb_press_view.cfm?release_num=55254455
ガートナーの調査結果(PDF)
http://www.gartner.co.jp/press/pr20050721-01.pdf
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・ Firefoxベースの「Netscape 8」正式版、“Netscape10周年記念”の公開(2005/05/20)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/10/04 12:12
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