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EU、電気通信の規制で東欧などの加盟国に問題を指摘


 欧州連合(EU)は、電気通信事業に関わる規制の違反行為について加盟国の問題を公開した。EUの電気通信事業の規制は、全体の枠組みを決めるフレームワーク指令の他、許認可指令、アクセス・接続指令、ユニバーサルサービス指令、eプライバシー・データ保護指令などが規定されており、域内の電気通信事業の調和を目指している。

 EUでは、1998年に完了した電気通信事業の自由化の結果、市場が開放され競争が促進されたことについては一応の成功であったと評価。特に、民間の競争原理によって料金が下落する一方、サービスが向上し、EUの競争力改善に寄与しているという。

 1998年から7年が経過し、進展した技術革新は規制の方法にも一石を投じた。通信のデジタル化やインターネット技術の発展、携帯電話の普及などは、固定電話の開放を目標としていた時代とは異なる問題を抱えている。

 規制当局からは、市場参入の障壁を低くすること、規制を緩和すること、技術を中立に見ること、すなわち「通信と放送の融和」など従来の概念にとらわれない意識が必要であるとの認識が示された。また、欧州市場全域にわたって一貫した規制の必要性があるという。

 2005年10月現在での問題点としては、1)規制緩和法の適用のための調査義務、2)市場の定義、3)独占業者の扱い、4)規制当局の独立性、5)番号ポータビリティ――などが指摘された。

 1)については、ベルギー、チェコ、エストニア、キプロス、ラトビア、ルクセンブルク、ポーランドの調査報告がなかった。EUの行政組織である欧州委員会では、各国に警告状を送るとともに、義務を果たすよう勧告した。加盟国は2カ月以内に回答する義務がある。5)の番号ポータビリティは、マルタが基準を達成していないとの指摘を受けた。同国では技術的な問題から2006年第2四半期までは実現できないという。


関連情報

URL
  ニュースリリース(EU)
  http://europa.eu.int/rapid/pressReleasesAction.do?reference=MEMO/05/372&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en


( Gana Hiyoshi )
2005/10/18 13:37

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