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ライブドアグループがセシールと資本・業務提携、通販事業を強化

「TBSの問題以上の発表だ」ライブドア堀江社長

 ライブドア、ライブドアマーケティングの2社とセシールは、資本・業務提携の契約を締結することを決議したと発表した。ライブドアグループでは通販大手のセシールと提携することで、同グループの通販事業を強化する狙い。


「TBS問題で期待していた皆さんには申し訳ないが、今回の発表はTBS問題以上の発表だ」とライブドア堀江社長(中央) ライブドアグループとセシールが提供する

ライブドアマーケティングに807万株のセシールの新株予約権

ライブドアマーケティングとセシールがTOBなどを通じて資本提携
 発表によると、セシールに対してライブドアマーケティングが資本提携、ライブドア本体が業務提携を行なう。ライブドアマーケティングでは株式公開買付(TOB)などを通じて、セシールの発行済み株式の50.1%以上を取得する。TOBは、10月24日から11月15日にかけて実施し、24.4%以上の株式の取得を目指し、同時に有限会社アジア物産から同社が保有するセシール株(発行済み株式の25.7%)をすべて取得するという。

 TOBの買付価格は1株1,000円で、東証における売買価格の過去3カ月にわたる終値の平均値に対して6.3%のプレミアムを加えた。買付予定株式数は983万3,800株に達し、「上限は設けていない」(セシールの猪瀬具夫代表取締役社長)という。また、今回のTOB成立と臨時株主総会での承認を条件に、ライブドアマーケティングに発行済み株式の約20%に相当するという807万株の新株予約権を付与する。この新株予約権の行使期限は2年間で、権利行使による発行総額は当初37億1,220万円となる。

 ライブドアマーケティングの岡本文人代表取締役社長は、セシール株について「長期保有を目指す」とコメント。また、TOBの上限が定められていないことから、ライブドアマーケティング1社による買付が進むと東証の上場基準を満たせなくなる可能性もあるが、「上場は維持する方針だ」という。新株予約権に関しては今後の事業計画などもにらみ、「柔軟に対応する」と述べた。


セシールの猪瀬社長 ライブドアマーケティングの岡本社長

セシールの1,500万会員とlivedoorの900万ユーザーを相互に

セシールの1,500万会員とlivedoorの900万ユーザーを相互に送り込むという

金融事業のOEM提供も行なう
 資本提携を行なうライブドアマーケティングでは、今回の提携でセシールに対してWebコンサルタントやネット広告を通じてインターネット通販の強化を支援する。また、ライブドアマーケティングのアウトバウンドテレマーケティングによる顧客開拓など通販事業のCRMを強化するという。

 また、業務提携するライブドアでは、ショッピングやSNSなど各種コンテンツをセシールに提供するほか、クレジットや証券などの金融商品をOEM提供する。また、セシールの1,500万会員とポータルサイト「livedoor」の900万ユーザーを相互に送り込む施策を計画する。

「メールなどでしかコンタクトがとれないインターネットの顧客は顔が見えないと言われることがあるが、セシールの会員は電子メールのほか、ダイレクトメールや電話、FAXなどによる1to1コミュニケーションが可能だ。こうした顧客にライブドアのコンテンツを利用してもらったり、ライブドアマーケティングによるテレマーケティングなどの営業活動を行なう。」(ライブドアマーケティングの岡本社長)

 1990年代に2,000億円の単年度売上を計上したこともあったセシールだが、直近では「3期連続の赤字」(セシールの猪瀬社長)と低迷気味。特にオンラインでの売上については150億~170億円程度と、300億円規模の売上だという千趣会やニッセンに水をあけられていた。猪瀬社長は「インターネットを使うような若い世代にどうやってアプローチするのか、不勉強だった」と不振の原因を述べ、「ライブドアに教えてもらいながら若い世代にアピールしたい」とコメントした。


メーカーをグループに組み込むことでショッピングモールの充実を図る

左からセシール猪瀬社長、ライブドア堀江社長、ライブドアマーケティング岡本社長
 今回の提携では、ライブドアマーケティングが資本提携し、ライブドア本体は業務提携にとどまった。ライブドアマーケティングの岡本社長は「ライブドア本体はコマース事業は行なわない方針だ。ライブドアマーケティングはeコマース事業も行なっており、ライブドアグループの中ではセシールに一番近かった」という。

 ライブドアではショッピングモール「livedoor デパート」を提供しているが、ライブドアの堀江貴文代表取締役社長によれば「今までも細々とやっていたが、最近では出店者にすべてお任せしている状態」とライブドアはプラットフォーマーとして黒子に徹するという。その上で「四国に本社(香川県高松市)があるセシールのような企業のほうが在庫を抱える倉庫を持てたりしてeコマース事業には向いている」と指摘。「楽天など先行する他社と比べると、2004年にlivedoor デパートを始めたライブドアが何年か遅れていることは否めない」とし、メーカー的な企業をグループに組み込むことでショッピングモールの充実を図り、顧客獲得を目指すとした。

 なお、両社の話し合いは7月に開始しており、今回の発表は「TBSと楽天の提携問題に合わせたものではない」(堀江社長)としている。


ライブドアマーケティングはグループ内でもセシールに「一番近かった」(岡本社長)という 両社による事業シナジー

関連情報

URL
  ライブドアのニュースリリース(PDF)
  http://disclose.finance.livedoor.com/pdf/2005/10/21/2a1508b0_20051021.pdf
  ライブドアマーケティングのニュースリリース(PDF)
  http://ldm.livedoor.jp/ir_info/ir_pdf_2005/LDMrelease20051021-2.pdf
  セシールのニュースリリース(PDF)
  http://a248.e.akamai.net/f/248/9659/12h/www.cecile.co.jp/prof/newsrelease/05-18.pdf

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( 鷹木 創 )
2005/10/21 20:43

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