富士通研究所は2日、IP電話のセキュリティ技術を開発したと発表した。IP電話サーバーへの攻撃や盗聴などへの対処が可能になるという。
富士通によれば、現在多くのIP電話サービスで採用されているSIPベースのシステムでは、発着信の際に必ずアクセスする呼制御サーバーのダウンを狙った攻撃が行なわれる可能性があるという。また、現在のIP電話は通話が暗号化されていないため、ネットワーク上のIPデータをコピーできれば比較的容易に通話が盗聴される危険性があるとしている。
富士通ではこれらの危険性に対処するためのVoIPセキュリティ強化技術を開発。セキュリティ用プロキシーサーバーにより、呼制御サーバーと端末の間におけるメッセージ順や状態の整合性をチェックすることで不正なメッセージを防ぐ。また、メッセージを転送する場合もテンプレートを用いたフィルタリングを行なうことで、バッファオーバーフロー攻撃などで用いられる不正データを排除できるという。
盗聴対策としては、セキュリティを強化したIP電話端末間の音声や画像通信を暗号化することで実現。暗号化はインターネット技術の標準期間であるIETFで標準化されたSRTP通信に加えてIPsecにも対応。さらに通話ごと異なる暗号鍵を動的に生成し、端末間で交換することでセキュリティ強化を図っている。富士通によれば、これらの暗号化を施した通話においても、050番号の品質基準で求められる150ミリ秒以内の音声遅延を実現したという。
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富士通のIP電話セキュリティ技術の概要
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■URL
ニュースリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2005/12/2.html
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( 甲斐祐樹 )
2005/12/02 16:05
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