公正取引委員会は9日、財務省が主催する金貨のインターネットオークション業務を1円で受注したヤフーに対して、独占禁止法の規定に違反する恐れがあるとして警告した。
財務省は7月、同省が保有する近代金貨を売却するためのインターネットオークションの運営補助業務について、一般競争入札を通じて業者を募集した。これに対してヤフーが「当該業務の供給に要する費用を著しく下回る価格」(公取委)である1円で応札し、落札したという。入札に参加した別の1社の入札金額は580万円だった。
公取委では、財務省が来年度以降発注する同業務などの入札において、「競争事業者の事業活動を困難にさせる恐れを生じさせる疑いのある事実」が認められたと説明。独占禁止法第19条(「不公正な取引方法」第6項の「不当廉売」に該当)の規定に違反する恐れがあるとして、今後、同様の行為を行なわないよう警告した。
ヤフーによれば、1円で応札するにあたっては法律的な検討を十分に行なったとしており、法律違反をしているわけではないという。採算についても、この業務だけで判断するのではなく、話題性のある業務を受注できれば会社全体にメリットがあると判断した。
なお、公取委ではヤフーのほか、同じく財務省が主催するリアルの公開オークション業務を1円で受注したシンワアートオークションに対しても警告を行なった。同社は「今回の業務を請け負うことによる広告宣伝効果が、当社が負担する経費を大幅に上回るという見積もりから入札した」とのコメントを発表している。
シンワアートオークションによる「第1回近代金貨公開オークション」はすでに10月に開催されている。ヤフーが運営を補助する「第1回近代金貨インターネットオークション」は2005年度中に開催される予定だ。
関連情報
■URL
公正取引委員会のニュースリリース(PDF)
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/05.december/05120903.pdf
ヤフー
http://www.yahoo.co.jp/
シンワアートオークション
http://www.shinwa-art.com/
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( 永沢 茂 )
2005/12/09 17:38
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