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「Yahoo!地図情報」のデータベースが毎週更新、利用者の投稿情報も公開


 アルプス社は15日、ヤフーの「Yahoo!地図情報」に提供している地図情報データベースの毎週更新を開始した。また、9月に開始していたユーザー投稿による地図更新情報も公開。投稿内容が正しいかどうかを投票できる実験も開始した。


Yahoo!地図情報。地図画像の下に表示された「この場所の新しい情報を大募集」をクリックすると投稿画面にアクセスできる 投稿の公開を開始し、投稿に対して投票できるようになった

ネットの地図は毎日更新されてもいい

投稿画面
 これまでもアルプス社では、利用者からの指摘などを受けて地図情報を更新していたが、データベースに反映するタイミングは「年に1回程度」(同社マーケティング部の入山高光マネージャー)だったという。また、ヤフーでも「インターネットの地図は毎日更新されてもいいのでは」(同社リスティング事業部の来田宣之プロデューサー)と考えていた。

 そこで、アルプス社ではYahoo!地図情報を通じて、ユーザー投稿による地図更新情報を募集したところ、これまでに数万件の投稿があったという。1つの施設について、位置、名称、種類などの情報のほか、その施設に関するコメントも受け付けた。今回開始する週間ペースでのデータベース更新は、この投稿情報を利用したもの。ユーザーから得た情報をアルプス社が調査、確定して地図情報データベースに反映させる。

 週間ペースでの更新にあわせて、位置や名称といった地図更新情報の真偽についてユーザーに投票してもらう実験も開始する。投稿を公表することで「情報をブラッシュアップする」(入山氏)狙いだ。

 投稿された地図更新情報は、地図上にピンのアイコンで表示されている。このアイコンは投稿された縮尺の場合は紫色、それ以外では青色で表示される。投稿された縮尺以外で表示されたピンは、投稿者の意図とは異なる場所に表示されてしまう場合もある。真偽を投票する場合は、縮尺を調整してなるべくピンの色が紫であることを確認した方がよいだろう。

 なお、地図更新情報の投稿内容が正しいかどうかの投票では「正しいです」「名前が違います」「位置が違います」「名前も位置も違います」の4択になっており、コメントについての投票はできない。


地図サービスはクオリティを維持しなければならない

 「Yahoo!地図情報へのスティッキネス(誘引度)を向上させるにはどうしたらいいだろう」と考えた入山氏は、利用者とサービス提供者側、もしくは利用者間でコミュニケーションが広がるように地図更新情報の投稿や投稿情報の公開といった仕掛けを実装したという。

 とはいえ、地図サービスは生活インフラだ。「利用者参加型のメディアの代表格である掲示板ではうそも本当も混じっている。地図サービスはクオリティを維持しなければならない」(入山氏)。投稿システムには特定のキーワードを入力できないようにするフィルタリング機能のほか、スパム的な多重投稿を防御する機能も搭載した。ただし、投稿受付開始から2カ月間、中にはテンプレートを利用したような投稿も見られたが、総じて「まじめな投稿が多かった」(来田氏)という。

 来田氏は、今後の展開について「入力された情報をビジネスとして通用するレベルで適切かどうか判定するのは、現在の段階では難しい」とコメント。現時点では利用者投稿を広告モデルなどのビジネスモデルに繋げる可能性は低いことを示唆した。また、Google Mapsが先んじているAPI公開に関して「今のまま公開してもGoogleと同じ」とし、API公開だけでなくRSS配信なども含めたYahoo!地図情報独自の利用方法を探ると述べた。


アルプス社マーケティング部の入山氏 ヤフーのリスティング事業部の来田氏

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.alpsmap.co.jp/overview/letter/20051215/realtime.html
  サービス概要
  http://www.alpsmap.co.jp/realtime/
  Yahoo!地図情報
  http://map.yahoo.co.jp/

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( 鷹木 創 )
2005/12/15 13:06

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