サンフランシスコの連邦第9巡回控訴裁判所は12日、インターネットオークションでナチス記念品を陳列してフランス法を侵害したとして、Yahoo!がパリの裁判所から罰金支払いを命じられていた判決に関連して、米Yahoo!の請求を棄却する判決を下した。
控訴審でYahoo!は、罰金の支払い判決は同社の言論の自由を侵害するものであり、フランスで禁止されているナチス記念品を陳列したオークションサイトに米国では罰金を科すことはできないはずであると主張していた。
しかし、米国外では不法行為だが米国では認められているようなコンテンツを呈示することについて、外国の裁判所が示した損害に対して賠償する責任を有するかどうかの問題については、控訴裁は判断を回避。今回の問題において憲法判断は避け、米国法に基づくYahoo!の言論の自由が侵害されたことについては疑問が残るとし、逆にフランス側が判決を実行できないであろう(から、訴えの利益もない)とも判示した。なお、Yahoo!は現在では、ナチス関連物品の出品は禁止している。その意味で、フランス側が差し止めを請求する利益はなくなっている。
なお、原審ではYahoo!の請求が認められ、Yahoo!には責任がないと判示されていた。今回、原審の判決が覆されたことになる。
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■URL
判決文(英文、PDF)
http://www.ca9.uscourts.gov/ca9/newopinions.nsf/3DF703F416DC0608882570F40006DDCF/$file/0117424.pdf?openelement
関連記事:米eBayが掲載規制を強化~ナチス関連アイテムを完全に締め出し
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2001/0507/ebay.htm
関連記事:米Yahoo!、オークションへの出品を有料化
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2001/0105/yahoo.htm
( Gana Hiyoshi )
2006/01/16 17:46
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