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2005年第4四半期のスパムメール転送量、米国、中国、韓国が上位


 英Sophosは23日、2005年第4四半期のスパムメール転送ワースト12カ国を発表した。米国、中国、韓国が上位を占めたほか、日本も10位に入っている。

 発表によれば、1位は米国で転送量は全体の24.5%を占めた。中国が22.3%、韓国が9.7%、フランスが5.0%、カナダが3.0%と続く。以下、ブラジルが2.6%、スペインが2.5%、オーストリアが2.4%、台湾が2.1%、ポーランドが2.0%、日本が2.0、ドイツが1.8%となっている。

 2004年1月24日にダボスで開催されたWorld Economic Forumで、ビル・ゲイツ氏が2年以内にスパムメールが「過去のものになるだろう」と予言したという。だが、Sophosではこの予言の前日に、英語ではないスパムメールが増加し続けていることを発見。そのうち、トロイの木馬やワーム、ウイルスによってハッカーに乗っ取られてしまっているゾンビPCによるスパムメールが圧倒的多数を占めていることがわかった。

 米国ではCAN-SPAM法といったスパムメール対策法が制定されており、各ISPも情報を共有するようになった。また、スパムメールを送信する行為に対しては厳しいペナルティを課している。最近では、フロリダを本拠地にしたスパマーのJames McCallaに対して、ISPに112億ドルの損害賠償を支払うよう命じた判決が下った。デトロイトのDaniel Linには懲役2年が言い渡された。

 「厳しい判決がスパマーにプレッシャーを与えたのは米国にとって良いニュースだった」と、Sophosの上級技術コンサルタントのGraham Cluley氏。しかし、「世界中のメールユーザーは頼んでもいないメールの爆撃をいまだに蒙っている。スパムメールが明らかに過去のものになったわけではない。2年で過去のものになるというゲイツ氏の予言はあまりに楽観的に見える」という。

 ほかの地域では、韓国が9.7%と大幅に減少したと指摘。これは、米国に次ぐ地位に中国が台頭しつつあるということを意味するという。一方、英国は1.6%(14位)と、ワースト12カ国から抜け出した。

 「英国のコンピュータユーザーは、コンピュータがゾンビ化するのを防ぐことによって、スパマーへの締め付けを強化した」とCluley氏は指摘する。「反対に英語ではない言語のスパムメールは増加している。スパマーは金銭を得るために世界中の市場を狙っているのだ」。

 Sophosによれば、ワースト12カ国が4つの異なる大陸の国家で構成されている事実は、スパムメールの本質を示しているという。世界中のスパムメールの転送のうち60%以上を占めるゾンビPCを利用することでスパマーは、国家ごとに制定している法律を潜り抜けられる。スパマーは、スパムメール転送マシンと同じ国にいる必要はないとした。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.sophos.com/pressoffice/news/articles/2006/01/dirtdozjan05.html


( 鷹木 創 )
2006/01/24 18:07

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