|
産総研情報セキュリティ研究センターの副研究センター長を務める渡辺創氏(左)と、ヤフーのオークション事業部企画室長を務める八代峰樹氏(右)
|
産業技術総合研究所(産総研)とヤフーは30日、「Yahoo!オークション」におけるID・パスワード窃盗による犯罪や不正利用を防止するための新しいセキュリティ技術の開発を目指して、共同研究を開始することで合意したと発表した。
共同研究は、産総研の情報セキュリティ研究センター(RCIS)とヤフーにより、主にユーザー認証技術の強化を中心として行なう。IDとパスワードの窃盗を狙ったフィッシング詐欺が増えていることから、IDとパスワードをネットワーク上にそのまま流さず、フィッシングサイト側で情報を盗み取ることができない仕組み作りを目指す。具体的な認証方式などについてはこれから検討を進めていくとしているが、基本的にはユーザーになるべく負担の少ない方法で、特別なハードウェアなどを必要としない方式を検討していくという。
ヤフーのオークション事業部企画室長を務める八代峰樹氏は、「Yahoo!オークションでは不正な新規IDの取得を防止する措置などを進めているが、その結果として既存のIDを詐取しようとするフィッシング詐欺が増えている」と現状を説明。フィッシング詐欺への対策について産総研と検討を進めた結果、フィッシングサイトに誘導された場合に被害を最小限に抑えられる仕組みとして、新しい認証システムの共同研究を行なうことで合意に至ったとした。
研究の進め方としては、現システムにおけるユーザー認証機構の役割、仕組み、実装方法、システム連携などを調査・検討するところから開始。現システムの問題点や技術用件を洗い出し、認証技術の設計、プロトタイプの実装とそれを用いた実証実験を2006年中をめどに実施する。開発したユーザー認証技術については、Yahoo!オークション以外の他のシステムとの連携も視野に入れるほか、標準化によりヤフー以外にも広く利用される技術とすることを検討している。
|
|
Yahoo!オークションにおけるトラブル例
|
開発を進める認証技術のイメージ例
|
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2006/pr20060130/pr20060130.html
( 三柳英樹 )
2006/01/30 18:19
- ページの先頭へ-
|