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アムネスティ、中国の人権侵害に加担しているとして米Yahoo!を非難


 人権団体のアムネスティインターナショナルは1日、米Yahoo!が取った行動によって、ある中国人ジャーナリストが中国政府に逮捕・拘束されたとして、Yahoo!を非難する声明を発表した。

 アムネスティによると、逮捕されたのは中国人ジャーナリストのShi Tao氏。同氏は中国共産党の指令書を要約し、Yahoo!のアカウントを使ってメールで海外に送信したとされている。この指令書は、天安門事件が起こった6月4日の記念日に社会不安が起きる可能性があるとして、中国人ジャーナリストに行動を煽らないよう求める内容だった。アムネスティが入手した裁判の文書によると、Yahoo!が同氏のアカウント情報を中国政府に提供していたことが判明したという。

 アムネスティは「企業はどこで活動を行なおうとも、人権を尊重しなければならない。中国政府がShi Tao氏を刑に処するのを支援する役割を果たしたことにより、Yahoo!のビジネス倫理観が疑わしくなった」とコメントしている。

 中国政府が採用している政策と米国のインターネット企業との間に大きな問題が生じ始めている。サーチエンジン企業は中国政府が要求している検閲を受け入れるか否かで大きな判断を迫られており、最近ではGoogleがこの検閲に応じる決定をしたことが話題となった。

 こうした問題は中国だけにとどまらない。米司法省がGoogleに対して検索データ情報の一部を提供するよう求めたことに同社が激しく反発する一方、MicrosoftとYahoo!は、個人情報を削除した上で情報提供に応じるという動きもあった。


関連情報

URL
  アムネスティインターナショナルの声明(英文)
  http://web.amnesty.org/pages/chn-310106-action-eng

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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/02/02 17:36

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