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謝罪する平松社長(右)と落合副社長(左)
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ライブドアは22日、熊谷史人代表取締役が証券取引法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕されたことを受けて、記者会見を開催した。
会見に出席した平松康三社長は、「企業が大きくなればなるほど社会的な責任も重くなるが、我々自身がベンチャーということで懸命に走ってきたため、自分達の中で社会的責任を感じるという意識が足りなかった。今回の件によって、社会、株主の方、パートナー、顧客の皆様など、すべての方々に混乱を起こしたことをお詫びしたい」と謝罪。逮捕を受けて、代表権を熊谷氏から取締役の山崎徳之氏に異動したことを発表した。
平松社長はこれまでのライブドアの経営姿勢について、「世界一の会社になるという思いが強すぎて、株価至上主義というか、株価に経営の目線が集中しすぎていたのかと思う」と反省の弁を述べた。今後については、「コンプライアンスや法令順守のための取り組みなど、二度と同じ過ちを犯さないための努力をしており、そうした姿勢を社内に根付かせたいと思っている」と語った。
会見には平松社長と落合紀貴副社長が出席したが、新たに代表取締役となった山崎氏は欠席した。欠席の理由について平松社長は「山崎は現在仕事の都合で海外にいるため」と説明した。
また、堀江貴文前社長の逮捕後、なぜ逮捕される可能性のあった熊谷氏を代表取締役としたのかという質問には、「当時は他にオプションが無かった。山崎は当時は他社の代表を務めていた」と回答。今後さらに社内から逮捕者が出る可能性については、「社内調査がまだ済んでいるわけではないが、無いと願っている」とコメントした。
熊谷氏が取締役を辞任した場合には取締役が2人となり、商法で定められた取締役の人数(3人)を下回る。この問題について落合副社長は「裁判所に仮取締役を選任してもらうという手続きも検討しているが、その場合でも選任に1~2カ月ほどかかると聞いている。新しい取締役の選出ということでは、臨時株主総会の開催も視野に入れて検討している。時期については未定だが、6月ぐらいまでをめどに開催したい」と語った。
一連の事件に対する調査体制としては、社内に設置するコンプライアンス強化委員会とは別に、社外に調査委員会を設置する方向で検討を進めていることを公表。法律面と金融・財政面のそれぞれから事件を調査する、2つの調査委員会を設置する方向で準備中だとした。
熊谷氏の逮捕や、今後予想される株式上場廃止が経営に与える影響については、「不測の事態を想定してリスクに対応していたので、逮捕はたいへん残念だが予想はしていた。上場廃止については東証が決めることなのでコメントはできないが、資金は潤沢で近々に経営が悪化するようなことはない」と述べた。
また、関連会社との関係について平松社長は、「ライブドアオートとダイナシティの2社については、提携の見直しを検討するということで合意している。メディアエクスチェンジについては、提携を解消するというつもりはまったくないが、持分については新たなパートナーを招き入れるといったことも含めて議論している」と語った。
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平松康三社長
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落合紀貴副社長
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ライブドア
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( 三柳英樹 )
2006/02/22 21:37
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