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「それでも貴方は使いますか?」WinnyユーザーにIPAがウイルス被害を警告


 情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は3日、2006年2月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を公表した。2006年2月のウイルスの検出数は約256万個、不正アクセスの届出件数は26件で、いずれも1月の件数からは減少した。また、2月の呼びかけとして、Winnyを介して情報漏洩を引き起こすウイルス「Antinny」への注意文を掲載した。

 IPA/ISECでは、ウイルス・不正アクセスの届出状況を伝える記事の冒頭で、Winnyを介した情報漏洩事故が多数発生していることを受け、「ファイル交換ソフトに潜む情報漏えいの危険性!!――それでも貴方は使いますか?」と題した警告を掲載している。

 多くの情報漏洩事件の原因となっているウイルス「Antinny」は、「お宝画像」「個人情報」のような多数の人が興味を持つ単語を含むファイル名でWinnyのネットワークに流通し、Winnyを利用してダウンロードしたそれらのファイルをユーザーが実行することにより情報漏洩事故が起きていると説明。感染を防ぐためにはパターンファイルを最新にしたウイルス対策ソフトの利用が重要だが、Antinnyは亜種が次々に発生しているため検出できないこともあるため、ダウンロードしたファイルを安易に実行しないことが必要だとしている。

 IPA/ISECでは、多くの企業でファイル交換ソフトの利用を禁止し、個人情報や機密情報の持ち出しも禁止しているが、こうしたルールが整備されていても漏洩事故が度々発生しており、「自分だけは大丈夫」という認識は大きな間違いだと指摘。情報漏洩を起こした個人には、罰則として停職や減給などの処分が下されている例が報道されており、当事者となった企業・組織への影響は計り知れないとして、ユーザーに対してファイル交換ソフトに潜む危険を理解し、同じ事故を繰り返さないように呼びかけている。

 2月のウイルスの検出数は約256万個と、1月の約413万個から約4割減少。2005年12月に多数検出された「W32/Sober」の亜種が完全に活動を停止したことが原因としている。ウイルスの届出件数は4,324件で、1月の4,499件から3.9%減少した。ウイルス検出数の1位は「W32/Netsky」の約184万個、2位は「W32/Mytob」の約30万個、3位は「W32/Bagle」の約23万個。

 2月の不正アクセスの届出件数は26件で、このうち実際に不正アクセスの被害があったのは15件。内訳は侵入が9件、DoS攻撃が2件、アドレス詐称が1件、その他が3件となっている。侵入届出の内訳では、SSHで使用するポートへの攻撃による侵入が7件と依然として多く、引き続き注意が必要だとしている。


関連情報

URL
  ウイルス・不正アクセス届出状況について(2006年2月分)
  http://www.ipa.go.jp/security/txt/2006/03outline.html

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「Sober」亜種の活動停止でウイルス検出数は7割減~IPA報告(2006/02/03)
Winnyはあなたの仕事に本当に必要か~IPAが「使用上の注意」(2005/06/23)


( 三柳英樹 )
2006/03/03 16:18

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