シマンテックが8日に発表した調査によると、毎日1通以上のスパムメールを受信しているユーザーは6割を超えることがわかった。10通以上受信するユーザーも3割に近いという。
● 1日あたり10通以上スパムメールを受信するユーザーは3割
|
有料アカウントにおけるスパムメールの受信件数
|
|
有料アカウントで受信するスパムメールの内容
|
調査は、インターネット歴3年以上で、プロバイダーが提供するメールアドレスなどの有料メールアカウントを所有する1,100名が対象。男女比は男性50%、女性50%。年齢比は15~19歳が100名、20~29歳、30~39歳、40~49歳、50~59歳、60歳以上が各200名。シマンテックが調査機関のインフォプラントに委託して実施した。
それによると、有料アカウント宛のスパムメールでは、1日あたり「1通以上」受信すると答えたユーザーは64.3%に上るという。「10通以上」と答えたのは29.4%だった。前年調査では「1通以上」が55.2%、「10通以上」が18.4%で、いずれも増加した。一方、Yahoo!メールやhotmailなど無料のメールアカウント宛のスパムメールでは、「1通以上」が63.7%、「10通以上」が26.4%。
有料アカウント宛のスパムメールの受信内容は、「出会い系サイトの宣伝」が51.9%で圧倒的に多く、以下は「意味不明な英文・外国語のメール」(13.4%)や「わいせつビデオ・DVD販売・サイト等の宣伝」(12.5%)が続いた。
また、この1年の傾向としてスパムメールの受信件数が増えているかを尋ねたところ、「すごく増えている」(24.8%)または「少しずつ増えている」(43.2%)が合計68.0%に上るという。その一方で、減少したと感じている回答者は1割に満たなかった。
● スパムの認知率が向上し、スパムメールの処理時間が減少
|
スパムメールの処理時間
|
スパムメールの認知率については、「理解していると思う」(30.9%)は前回と同様だが、「なんとなく、こんなものだという程度の認識はある」(43.5%)は前回の30.6%から大幅に増えた。「名前も聞いたことがない」は5.8%で、前回の18.0%から減少し、スパムに対する認識が深まっていることがわかった。
1日あたりのスパムメールの処理時間は、「10分未満」が73.9%を占めるが、「10分以上」と答えた人も27.1%におよんだ。平均処理時間は6.67分で、これを1年間に換算すると40.6時間に上るが、前回の約47時間と比べると減少した。この結果についてシマンテックコンシューママーケティング部の田上利博氏は、「スパムの認識が進んだため、スパムメールを処理する判断速度が上がるとともに、スパムフィルタリングソフトの導入率が上昇したため」と分析する。
● 1割のユーザーがスパムメールに返信
|
シマンテックの田上利博氏
|
|
スパムメール受信時の対応
|
スパムメール受信時の対応としては、40.6%が何らかの対応をとると答えたが、その中の1割が「メール内の宛先に拒否する旨のメールを送る」や「メールに書かれたURL内の拒否手続き等に従う」と回答。これらの行為について田上氏は、「スパム送信者に正確なメールアドレスを確認させるだけで、スパムメールが増える可能性がある」として、不審なメールは削除すべきだと注意を促す。
そのほか、メールアドレスをスパム送信者に知られてしまった原因では、「無料メールアドレスを申し込んだ」(21.7%)や「自分のHPなどでアドレスを表示した」(24.7%)と並んで、15.8%が「迷惑メールに返信/受信拒否のメールを送った」と答えていた。なお、「心当たりが全くない」という回答は24.7%だった。
スパムメールの回避方法では、「メールを見て手動で削除」が57.4%で最多。スパムメールが増加傾向にあることからか、「メーラーのフィルター機能」(32.6%)や「プロバイダー提供のフィルタリングサービス」(28.1%)、「メールをフィルタリングするソフトウェア」(13.0%)などを利用する回答者が増えつつあるという。
|
|
メールアドレスの漏洩経路
|
スパムメールの回避方法
|
関連情報
■URL
シマンテック
http://www.symantec.com/region/jp/
( 増田 覚 )
2006/03/08 18:03
- ページの先頭へ-
|