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Metalink社のバリー・ボリンスキー副社長
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(写真左から)MtW8170とMtW8150
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イスラエルの半導体メーカーであるMetalink社は8日、IEEE 802.11nへの対応を見据えた無線LANソリューション「WLANPlus」の第1世代製品を利用したデモンストレーションと今後市場投入を予定する第2世代以降の製品に関する発表会を開催した。
Metalinkは、2005年5月にWLANPlusの第1世代製品としてIEEE 802.11aとの互換性を持つ、MIMO対応のRFチップ「MtW8150」を発表。また、8月にはベースバンドとMACを搭載した「MtW8170」のサンプル出荷を開始している。
WLANPlusは、送信側に2本、受信側の3本のアンテナを搭載する2×3構成のソリューションで、周波数帯域が40MHz幅の場合で最大 300Mbpsの物理速度を公称。ただし、日本では40MHz幅の利用は認められておらず、今回実施されたデモンストレーションでもチャネルボンディング技術を利用しない20MHz幅での環境で行なわれた。
また、通信可能な範囲としては既存無線LAN規格と比較して約8倍の距離になるとしているほか、セキュリティ面ではIEEE 802.11e準拠のQoSとIEEE 802.11iをサポートする。同社では同ソリューションについて、デジタルテレビやデジタルレコーダ、メディアサーバー、STBなどのホームネットワーク製品向けに供給を行なっていく考えだ。
発表会で説明を行なったMetalink社のバリー・ボリンスキー家庭用ブロードバンド製品担当副社長は、2006年下半期に投入を予定する第 2世代製品について「IEEE 802.11n規格に完全準拠を目指した製品で、他社製品との相互接続性を確保する。無線LAN規格としてはIEEE 802.11aに加えて、IEEE 802.11b/gもサポートする」とコメント。加えて、「消費電力の大幅な削減も見込まれるとともに、通信スループットも若干向上、11nのオプション部分も実装していく」とした上で、「家電製品やマルチメディア製品の需要を満たした製品」である点を強調した。
提供形態としてはminiPCIインターフェイスを予定。それ以外のUSBタイプなどの投入については、「派生製品という形で、別チップを使って対応することになる」と述べた。また、2007年下半期にはコストダウンを図った第3世代製品の投入も明らかにした。
なお、WLANPlus第1世代製品については量産を対象にしたモデルではないため価格は非公表。一方、第2世代製品については「市場でどのくらいのボリュームが発生するかによるが、大量生産した場合で20ドル以下を見込んでいる」と述べた。
他社製品との互換性検証に際しては、「Wi-Fi Allianceで行なうことが1番望ましい」とコメント。ただし、「Wi-Fi Allianceの対応が遅い場合には、EWCなどを通じて他社と共同で接続性の検証を行なう可能性もある」ことを示唆した。
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リファレンスデザインのMiniPCIカードとドングル
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ドングルはMiniPCIカードを装着している
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有線LANとUSBポートを搭載。同社では各ポートを搭載した製品との相互接続性が確認できるとしている
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発表会では3部屋に分けて液晶テレビを設置してデモが行なわれた
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発表会で合わせて行なわれたデモンストレーションは、サーバー機から室内3カ所に配置されたデジタルテレビにHD映像をチップセットを搭載したドングルを通じて配信するというもの。1月に米国で開催された「2006 International CES」での構成とほぼ同一となるが、40MHz幅の利用ができないため、CESで実施されたMPEG-2形式が2本、MPEG-4形式が1本の構成から、MPEG-2が1本、MPEG-4が2本へと変更されている。
いずれの部屋でも帯域は13~15Mbps、合計で40~50Mbps程度を確保しており、バリー・ボリンスキー副社長は「有線LANと同じ感覚での動画の配信・視聴が可能になる」と説明。「意図的に受信側の端末を妨害しない限り、2.4GHz帯を利用したIEEE 802.11gのように映像にブロックノイズが出ることはない」とも付け加えた。
なお、Atheros Communicationsでは3×3構成のIEEE 802.11nドラフト仕様の無線LANソリューションを発表している。この点に関して同氏は「送信側を3本にしても出力改善するが、コスト面での優位性はないと考えている」と語り、「当社では3×3構成は投資に見合ったメリットがないと考え、2×3構成を採用している」と述べた。また、「3×3構成の製品発表によって、市場に混乱が生じる可能性があるため、2×3構成と比較を行なったデータを2、3カ月程度に報道発表したい」と付け加えた。
このほか同社ではルネサステクノロジと提携し、WLANPlusとルネサスのプロセッサ「SH-4」を統合したデモンストレーションを実施したと発表した。
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サーバー端末との接続状況
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ルネサスとの提携によってMetalinkでは両社のチップを搭載した製品を共同開発する計画だという
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関連情報
■URL
Metalink
http://www.metalinkbb.com/
関連記事:Metalink、MIMO技術に対応したIEEE 802.11a互換のシングルチップRF[Broadband Watch]
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/9766.html
■関連記事
・ アセロス、物理速度最大300Mbpsの11n無線LANソリューションを発表(2006/02/16)
・ AtherosやBroadcomなど、IEEE 802.11nの標準化を目指す新団体を設立(2005/10/11)
( 村松健至 )
2006/03/08 21:52
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