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世界中に設置されたDMC機構の海外拠点
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慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構(DMC機構)は13日、中国の清華大学と韓国の延世大学に海外拠点となるスタジオを開設したと発表した。あわせて、ニューヨークで日米文化交流を進める非営利団体「日本協会」にもスタジオを開設した。今後は、DMC機構と両大学、日本協会で相互にデジタルコンテンツの創造および流通が行なわれる。
DMC機構は、2004年7月に文部科学省科学技術振興調整費の戦略的研究拠点育成プログラムに採択され、設立された組織。デジタルコンテンツの創造と流通を通して、大学のシステム改革や制度改革を行なうことを目的とする。北米、欧州、アジアに複数の拠点を設置している。
慶應義塾大学は、延世大学とはWIDE、APAN(Asia-Pasific Acvanced Network)、KOREN(Korean Research and Education Network)を経由した高速インターネット基盤で接続、清華大学とはWIDE、APAN、中国の全大学をつないでいるCERNET(China Education and Research Network)を経由した高速インターネット基盤で接続する。
DMC機構が海外に設立したスタジオを利用することで、これまで教授が海外出張などの理由で授業が休講になっていた場合でも、出張先のスタジオから授業を行なうことができるという。また、同じ分野で研究を進める大学の学生や教授が、リアルタイムに議論できるなどのメリットがある。
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慶應義塾大学塾長でDMC機構長を務める安西祐一郎氏
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慶應義塾大学常任理事でDMC機構COOを務める村井純氏
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同日、慶應義塾大学塾長でDMC機構長を務める安西祐一郎氏と同大常任理事でDMC機構COOの村井純氏が、今回の海外拠点開設に関する概要を説明した。
安西氏は、DMC機構について「これまで放送、映画、広告など一部の業界に限られていたデジタルコンテンツの創造と流通の活動を一般の人々に開放するとともに、新しい産業分野を切り拓くことが目的」と説明。海外にDMC機構の拠点を置くことで「デジタルコミュニケーションだけでなく人と人のコミュニケーションを通じて海外との連携を図る」とコメントした。
村井氏は、DMC機構の目的を「地球全体の知を結集してネットワーク化すること」と説明。「今回、日本や米国、韓国、中国などの情報開発先進国がデジタルスタジオとしてつながったが、それと同時に地球全体がこのネットワークに参加するための取り組みを大学からスタートしたい」と意気込みを語った。DMCスタジオのネットワークについては、「全く新しいグローバルなコラボレーションを創造するための基盤になる」として、無限の可能性があると訴えた。
さらに、「情報先進国の大学間には、10Gbpsの超高速ネットワークでつながる最先端技術がある。DMCスタジオのグローバルなネットワークでは、こうした最先端技術を試行錯誤して商業ベースなどの各分野に利用できるようにする」と語り、「社会に5~10年先行して『知のネットワーク』を作り上げる責任がある」との考えを示した。
関連情報
■URL
デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構
http://www.dmc.keio.ac.jp/
( 増田 覚 )
2006/03/13 16:19
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