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IEの「createTextRange()」メソッドの脆弱性を悪用するウイルス


 米Symantecは27日、Internet Explorer(IE)の「createTextRange()」メソッドの脆弱性を悪用するウイルス「Trojan.Stranget.B」を警告した。危険度は5段階中で最も低い“1”。

 Trojan.Stranget.Bは、以前は「Keylogger.Stranget.B」として検知されていたウイルス。キーストロークのログやパスワードなどの情報を盗み取り、盗んだ情報を攻撃者へ送信する。

 ウイルス本体に記録してあるURLからファイルをダウンロードしてFTPサーバーを開くのが特徴で、この際にIEの「createTextRange()」メソッドの脆弱性を悪用する。また、シェルコマンドなどによってシステム情報を取得し、それら情報を含んだファイルはメール添付、もしくはFTPサーバー経由で攻撃者に送信する。FTP経由の場合は「www.projecx.net」というドメインに送信するという。

 このほか、「ZONEALARM.EXE」「WFINDV32.EXE」「WEBSCANX.EXE」「SCANPM.EXE」「RESCUE.EXE」「NAVW32.EXE」など106のプロセスを止める。この中にはセキュリティ関連のプロセスも含まれている。

 Symantecによれば、Trojan.Stranget.Bは拡張性が高いトロイの木馬なため、攻撃者によってアップデートが加えられる可能性もある。Symantecが得た検体では、ファイルをダウンロードするURLを含んでいなかったが、「攻撃者によってバージョンアップした可能性ある」という。また、FTP経由でのファイル送信も、「www.projecx.net」のほか「Inf-x.org」や「66.98.132.67」があったとしている。

 なお、Symantecでは、このTrojan.Stranget.Bをダウンロードするトロイの木馬「Download.Fullalc」も危険度“1”で警告している。

 Download.Fullalcは、「www.4onlinecasino.net」「www.airlinetickets247.com」「www.apc-batna.net」「www.atulya.com」「www.buenaventura-lakes.com」「www.excelenergyservices.com」「windsor-palms-resort.com」といったサイトにユーザーがアクセスした際に「ca.exe」というファイルでダウンロードされる。

 このトロイの木馬が実行されると、あらかじめ決められたサイトから「calc.exe」というファイルをダウンロード。このcalc.exeがTrojan.Stranget.Bをダウンロードしてくるという。


関連情報

URL
  Trojan.Stranget.B(英文)
  http://www.symantec.com/avcenter/venc/data/trojan.stranget.b.html
  Download.Fullalc(英文)
  http://www.symantec.com/avcenter/venc/data/download.fullalc.html

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( 鷹木 創 )
2006/03/28 19:23

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