総務省は4日、KDDIの「0AB~J」番号を利用した個人向けIP電話サービス「光プラス電話」において、一部地域で119番の緊急通報が利用できない状態でサービス提供を行なっていたとして行政指導を行なった。
光プラス電話は、KDDIのFTTHサービス「KDDI光プラス」向けに提供されているIP電話サービス。総務省によれば、福岡県の一部地域において119番通報が利用できない状態で約2年間サービスが提供されていた事実が認められたという。KDDIによれば、SIPサーバー内の加入者データベースにおいて、119番への接続設定がなされていなかったことが原因で、現在では119番通報が可能だという。
0AB~J番号を利用したIP電話サービスは、「電気通信番号規則別表第二の5の項」において緊急通報が利用できることが指定要件として義務付けられており、利用できない状態でのサービス提供は「電気通信事業法第50条第1項」に違反する。このため総務省はKDDIに対して文書による厳重注意を行なうなどの行政指導を実施した。
今回の行政指導を受けて、KDDIは「通信事業者としてはあってはならないことで、誠に申し訳なく思っている。再発防止のため、万全の体制を講じる」とコメントしている。なお、KDDIは固定電話サービス「メタルプラス電話」においても119番の緊急通報が利用できない状態でサービス提供を行なっていたとして、2005年6月28日付で総務省より行政指導を受けている。
なお、総務省は過去に他事業者でも緊急通報が利用できない事案が発生しており、今後も発生する懸案があるとして、電気通信業界全体に対しても同事案の再発防止の徹底を要請。関係事業者の同事案に対する取り組み状況について、調査を行なうことを通知した。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/060404_1.html
光プラス電話 サービス概要
http://www.dion.ne.jp/service/hikari/phone/index.html
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( 大久保有規彦 )
2006/04/04 18:15
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