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シーンに応じて香りが発生、NTT Comが映画「ニューワールド」を香りで演出


シーンに応じて香りを発生する「アロマジュール」。高さ170mm×直径130mm。USBとPS2ポートを備える

香りを発生させる仕組み
 NTTコミュニケーション(NTT Com)は、インターネットを通じて香りを発生させる「香り通信」のシステムを用いて、松竹が配給する4月22日公開の映画「ニューワールド」でシーンに応じた香りを映画館に配信する。

 ニューワールドは、17世紀初頭のアメリカ大陸が舞台となっており、ネイティブアメリカンの王の娘ポカホンタスと、英国人冒険家ジョン・スミスのラブストーリーを描いた映画。監督は、「シン・レッド・ライン」を手がけたテレンス・マリック、主演のジョン・スミス役はコリン・ファレル、ポカホンタス役は16歳のクオリアンカ・キルヒャーが務める。

 今回の取り組みでは、映画館(中央部3列を予定)に香り発生装置「アロマジュール」を設置し、「アロマ・プレミアシート」として座席を提供する。設置映画館は、東京の「サロンパスルーブル丸の内」と大阪の「梅田ブルク7」。実施期間は4月22日から5月5日まで、チケットの価格は当日一般1,800円、前売りが1,300円。

 アロマジュールには6種類の香りの原料がストックされており、「旅立ち」や「別れ」などのシーンに合わせてオイルをブレンドして香りを発生させる。香りのレシピについては、日本アロマコーディネーター協会の中島ゆきえ氏が作成した。

 香りを発生する仕組みとしては、まずNTT Comの香り制御サーバーからインターネット経由で、香りのレシピと香りを配信するスケジュールを、映画館に設置した香り配信用ネットワーク接続装置「LAN-BOX」に読み込ませる。そして、このLAN-BOXから客席に配置したアロマジュールをコントロールする仕組みだ。

 LAN-BOXは香りのレシピや香りの配信スケジュールなどを保存することが可能で、いったんこれらのデータをサーバーからダウンロードした後は、オフライン環境でもアロマジュールを制御できる。従来のアロマジュールは、USB経由でPCに接続して香りを制御していたが、今回新たにLAN-BOXとの接続インターフェイスを確保したことで、PCがない環境でもアロマジュールを自由に持ち運べるようになった。


PC上から香りの調合のほか、香りを発生させる時刻なども設定できる LAN-BOX。アロマジュールとはPS2コネクタで接続される

NTT Com営業推進部の濱田俊一氏
 香り通信サービスは、2004年12月に公開実験を開始。以来、2005年5月にはアロマテラピーのeラーニング、2005年11月には香りレシピの配信、2006年2月には帝国ホテル大阪で客室を香りで満たす「フレグランスルーム」を企画した。最近では、住宅メーカーや自動車メーカーからの引き合いもあるという。

 現在、アロマジュールは同社のECサイト「CoDenモール」において、香料6本(各5ml)とセットで73,500円で販売中だ。これまで個人向けに200セット以上売り上げてきたが、今後は低価格化することでさらなる普及を目指す。NTT Com営業推進部の濱田俊一氏は、「例えば、寝付きが悪いときに適した香りレシピを提示するなど、香りの検索エンジンも構築したい」と意欲を示している。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.ntt.com/release/2006NEWS/0004/0411.html
  香り通信
  http://www.coden-mall.ntt.com/shopping/shop/coden/kaori/

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( 増田 覚 )
2006/04/11 18:09

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