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1注文の約定代金あたりの手数料は、20万円までは105円
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GMOインターネットグループのGMOインターネット証券が、ネット専業の証券取引サービスを5月12日に開始する。オープンソースを活用した証券システムにより運用コストを下げ、業界最低水準の手数料体系を提供する。初年度に10万口座を獲得し、今年度中の単月黒字化を目指す。
GMOインターネット証券では、OSにLinuxのRed Hatを採用するなど、オープンソースを主体とした自社開発システムを構築。従業員数も20名程度に抑えることで、証券システムの運用コストを軽減させた。情報提供サービスなどを省いて決済機能に特化することで、業界最低水準の手数料を実現するという。
東証および大証における1注文の約定代金あたりの手数料は、指値・成行に関わらず20万円までが105円、50万円までが315円、100万円までが525円、150万円までが735円、300万円までが1,050円。以降、300万円ごとに1,050円が加算される。なお、東証と大証以外の取引所については手数料が異なる。定額制の手数料は用意されていないが、サービス開始後に対応する予定だ。
また、既存のネット証券と異なる特徴としては、オリジナルの決済ツールを提供することが挙げられる。注文機能に特化したツール「はっちゅう君」は、タスクトレイに常駐するアプリケーションで、「Yahoo!ファイナンス」などの株式情報サイトを閲覧しながら、株式を注文できる。さらに、RSSやAjaxの仕組みを利用して、最新の株式情報を表示する機能も備える。同社では「『はっちゅう君』のAPIを公開することで、ユーザーは独自にツールを作成することが可能となる」としている。
開業スケジュールは、4月13日に同社のWebサイトを公開、4月24日に口座開設申込受付を開始、5月12日に国内現物株式・制度信用取引が開始する。2006年度末までには、外国為替保証金取引、先物取引、オプション取引などに順次対応し、これらの金融商品を同一のプラットフォームで取引できる環境を用意する。
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「Yahoo!ファイナンス」など、普段使い慣れた情報サービスと併用できる決済ツール「はっちゅう君」
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2006年度末までには、外国為替保証金取引、先物取引、オプション取引などに順次対応する
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● Web2.0的な仕組みを用いた「ネット証券2.0」時代の幕開け
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GMOインターネットの熊谷正寿社長(右)とGMOインターネット証券の高島秀行社長
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13日には、GMOインターネット証券のサービス開始に関する記者説明会が開催された。GMOインターネット代表取締役会長兼社長の熊谷正寿氏は、「ネット業界はWeb2.0の時代に突入したと言われる。Web2.0企業としてはGoogleを挙げられるが、同社は無料サービスの提供、機能を検索に特化、APIの公開という3つの特徴がある。我々の証券システムも同じ仕組みで、機能を決済に特化するとともにAPIを公開する。まさに、Web2.0的な仕組みを用いた『ネット証券2.0』時代の幕開けといえる」と語った。
ネット専業証券業界は、イー・トレード証券や松井証券、楽天証券など大手5社の寡占状態。5月には、野村ホールディングスが「ジョインベスト証券」として参入するなど競争が激化している。こうした状況について、GMOインターネット証券代表取締役社長の高島秀行氏は、「他社と同じサービスを、オープンソースを活用した低価格のシステムで構築することで、他社よりも安い手数料を実現できる」として、低価格戦略のアドバンテージを強調した。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.gmo.jp/press/release/20060413.html
( 増田 覚 )
2006/04/13 18:36
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