Internet Watch logo
記事検索
最新ニュース

マイクロソフトや11大学などが「大学革新のためのIT戦略」提言書を発表

「第2回大学CIOフォーラム」にスティーブ・バルマーCEOが登場

 三菱総合研究所とマイクロソフトは24日、大学におけるIT活用を検討する「第2回大学CIOフォーラム」を開催した。2005年11月の第1回フォーラムでの議論をもとに、参加大学のCIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)らがまとめた「大学革新のためのIT戦略」に関する提言書が発表された。

 提言書は、「大学におけるITガバナンス」「大学機能の強化と革新のためのIT戦略」「安全かつ柔軟な情報基盤整備」という3部で構成。国際競争力の強化や効率的な経営など、大学が抱える課題を解決するためのIT活用の方向性などを示した。提言書は、マイクロソフトと三菱総研が全国の大学、関係省庁、公的機関、企業などに配布する予定だ。


IT活用による「カスタムメイド教育」の実現を目指す

「大学革新のためのIT戦略」に関する提言書は「重要なマイルストーンになる」と語った米Microsoftのスティーブ・バルマーCEO
 まず「大学におけるITガバナンス」では、ITに関する戦略立案、組織運営などの権限を持つCIOを、すべての大学に設置し、大学の経営戦略と連動した「IT戦略ビジョン」を策定すべきであると提案。あわせて、IT導入に対する客観的な評価の仕組みを確立し、その評価結果を次のIT投資の判断に反映させることを提唱している。

 次に「大学機能の強化と革新のためのIT戦略」では、教育や研究、経営などの分野でITが果たす役割を定義。教育分野では、学生の学習履歴を保存・参照するシステムの導入や、eラーニングの促進を通じた、学生各人に対する「カスタムメイド教育」の実現のほか、研究分野では、電子ジャーナルや機関リポジトリを活用した学術情報発信、大学図書館のIT化などを推進する。経営分野では、財務会計・人事給与などの法人系システムの強化などを図る。

 最後の「安全かつ柔軟な情報基盤整備」では、全学的に統一された情報基盤の整備や、情報セキュリティ対策・コンプライアンスの強化などを提唱。具体的には、これまで学部や研究室ごとに構築されていた情報基盤を統一し、ユーザー認証、ID管理、セキュリティ設定などを一元管理する。また、情報セキュリティポリシーの策定と全学的なセキュリティ教育を通じた啓発活動なども実施する。

 フォーラムの冒頭では、主催者を代表して米Microsoftのスティーブ・バルマーCEOが挨拶し、提言書について「重要なマイルストーンになる」とコメント。また、大量の情報を扱う大学に貢献することの重要性を訴え、これまで米国では学校ドメイン名を使って学生がMSN Hotmailを利用できるサービスや、日本では「Ultra-Mobile PC(UMPC)」を大学に提供してきたことを紹介。「大学のCIOが参加するフォーラムは大変有意義」と語り、Microsoftでもフォーラムに継続的に参加する意思を示した。

 そのほかフォーラムでは、慶應義塾大学の村井純教授らが参加するパネルディスカッションを開催。「教育の革新とIT」などのテーマで、ITを活用した学生各人に対する「カスタムメイド教育」の効果などについて議論した。


関連情報

URL
  大学CIOフォーラム
  http://www.microsoft.com/japan/mscorp/citizenship/ucf/


( 増田 覚 )
2006/05/24 18:41

- ページの先頭へ-

INTERNET Watch ホームページ
Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.