アルプスシステムインテグレーション(ALSI)は、ゲートウェイ型Webフィルタリングソフトの新バーション「InterSafe ver.5.0」を7月3日に発売する。URLデータベースの配信頻度を1日3回以上に増やすことで、ワンクリック詐欺サイトやフィッシングサイトなどへの対策を強化した。企業や官公庁、教育機関などを対象に販売し、1年契約/25ユーザーの場合で一般価格が20万7,900円から、アカデミック価格が12万3,900円から。Windows Server 2003版、Windows 2000 Server版、Linux版、Solaris版がある。
ALSIがWebフィルタリング事業を10年間展開してきた中で、顧客のニーズは、いかに多機能かという点から、いかに安心して使えるかというものに変わってきたという。今回の新バージョンでは「安全性と利便性」を追求した。
まず安全性については、データベースの更新が1日1回では「もはや悪質サイトのリスクを軽減できない」として1日3回以上に増やした。スパイウェアや詐欺サイトの発生に対して、迅速に対応できるとしている。
次に利便性の面では、IT管理者が不足しているという現状を踏まえ、管理画面を改良して操作の簡便化などを図るとともに、集中管理機能を搭載した。オフィスや学校などの複数サーバーをマスターサーバーから統合管理し、1つの管理画面から操作できるようになっているという。さらに、現場に応じた柔軟なフィルタリング設定も行なえるようにした。グループ管理機能を強化することで、各部門ごとのフィルタリングルールをそれぞれの部門の管理者に委任して設定できる。
企業の「最低基準ルール」を設定することも可能で、委任された各部門の管理者であっても、それ以上緩いルールを設定できないようになっている。フィルタリングルールは、ダウンロードサイトやオンラインストレージなどのカテゴリごとに規制レベルを選択できるが、例外ユーザーを設定することも可能だ。LDAPと連携して、ユーザー情報のほか、グループ情報の取り込みも行なえる。
|
ネットスターのURLリサーチセンター長の高橋大洋氏
|
なお、InterSafeには現在、約4,500万ページの規制URLが登録されており、このうち7割が日本語サイトだという。ALSIは2001年、WebフィルタリングのURLデータベース事業に特化した会社であるネットスターをトレンドマイクロと設立している。InterSafeで配信されるURLデータベースもネットスターで構築しているものだ。
ネットスターでURLリサーチセンターのセンター長を務める高橋大洋氏によると、同センターには35人の選任リサーチャーがおり、国内では最大規模だという。これには一般PCサイトの専門チームのほか、携帯電話サイト専門チーム、中国語サイト専門チームも設けている。データソースが多彩なことも特徴だとしており、単純にロボットで巡回してデータベースに取り込むのではなく、迷惑メールや迷惑ブログからURLを収集したり、顧客からの通報やアクセスログなどをもとに抽出したサイトについて、目視確認によってサイト内容を分析し、インデックス化している。
ネットスターのURLデータベースに登録されたワンクリック詐欺サイトの数は、2004年から2005年にかけて7倍以上に増加したという。高橋氏は、ウイルスなどのプログラムによる攻撃に備えることは常識的になったが、同時に、ワンクリック詐欺サイトのような人間の弱点を突くソーシャルエンジニアリング的手法の攻撃に対して、URLデータベースなどで対応していく必要があると指摘する。また、今は個人をターゲットにしている段階だが、今後、企業や組織をターゲットにした攻撃の可能性があるとも警告している。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.alsi.co.jp/news/is_060601.html
製品概要
http://www.alsi.co.jp/security/is/isv5/
関連記事:トレンドマイクロとALSI、インターネットアクセスマネジメント戦略を開始
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2001/0530/iam.htm
■関連記事
・ ALSI、掲示板書き込み規制機能を搭載したフィルタリングソフト(2003/10/20)
・ ALSI、特定ブラウザに依存しないURLフィルタリングソフト(2004/11/29)
( 永沢 茂 )
2006/06/01 18:52
- ページの先頭へ-
|