Internet Watch logo
記事検索
最新ニュース

Yahoo!検索、検索結果の表示順変更後も順調に利用者が増加


 ヤフーは13日、Yahoo! JAPANの検索分野に関する記者説明会を開催し、Yahoo!検索の今後の方向性や、検索サービスの追加機能などを紹介した。


「ソーシャルサーチ」を目指すYahoo!検索

ヤフー検索事業部長の井上俊一氏
 検索事業部長の井上俊一氏は、2004年6月に米Yahoo!が検索エンジンを自社開発のYahoo! Search Technology(YST)に切り替えてから2年が経過したことを紹介。この間にYahoo! JAPANでも、2005年10月には検索結果の表示を従来のディレクトリ優先からキーワード検索優先に切り替え、2006年4月にはヤフーの検索に関する部門が「検索事業部」として統合されるなど、検索に対しての取り組みを強化してきたと説明した。

 一方で、井上氏は現状のWeb検索について、「Webページに行くこと自体が目的」である場合や、名前がわかっているものについての検索は得意としているが、「女性が乗りやすい車は?」といった抽象的で正解のない質問は苦手としていると説明。Webページを検索することが目的でなく、疑問に対する答えが知りたいという欲求には十分に答えられていないとした。

 その上で、今後はWeb検索の精度を上げることだけが目的ではなく、Yahoo!検索のミッションは「人々が相互につながって知識共有できる世界最大のプラットフォームを提供する」ことだと説明。Yahoo!は、Q&Aサービス「Yahoo!知恵袋」などのようなサービスを通じて、ユーザーの持つ知識や知恵が集まる「ソーシャルメディア」となることを目指しており、この知識や知恵を提供するサービスこそが次世代の検索「ソーシャルサーチ」になるとした。


YST導入後も利用者数は順調に増加、「Yahoo!カテゴリ」の利用者も依然多い

ネットレイティングスの萩原雅之社長
 ネットレイティングスの萩原雅之代表取締役社長は、2005年10月のYSTの導入によってユーザーの動向がどのように変化したかを調査会社の立場から解説した。

 萩原氏は、Yahoo!検索でYSTの結果を優先表示するようになった2005年10月以降も、Yahoo!検索の利用者数やページビュー数は順調に増え続けていることを示すグラフを紹介。YST優先表示後の目立つ変化としては、Yahoo!利用者1人あたりのページビュー数が増加傾向にある点を指摘。これまでは、1人あたりページビュー数ではGoogleがYahoo!を上回っていたが、YST優先表示後はその差が詰まっているという。

 また、従来は検索結果で優先的に表示されていた「Yahoo!カテゴリ」については、2005年10月に利用者が大きく減少したものの、その後は利用者数が約1,200万人程度で安定しているというデータを紹介。萩原氏は「日本はYahoo!検索の利用率が他国に比べて圧倒的に高く、カテゴリの利用率も高い」という特徴を指摘し、「なぜそうなるのか理由は良くわからないが、カテゴリについてはYahoo! JAPANは現在もスタッフを募集するなどサービスに力を入れており、カテゴリに対するユーザーの信頼も高いのではないか」と推察した。


各検索サービスで多くの追加機能を予定

 説明会の後半では、ブログ検索や動画検索といったYahoo!検索の各分野についての紹介が行なわれた。

 Yahoo!ブログ検索は、ブログの記事が更新されてから最短1分で検索が可能なサービス。特徴としては、検索ワードがブログの記事中に登場する回数を時系列に沿ったグラフで示す「注目度」の機能があり、指定した期間内にキーワードの注目度がどのように変化したかを見る機能が注目を集めていると説明。6月5日には、Yahoo!ニュースの各ニュースに関連するブログの記事を検索できるトピック関連検索機能を追加しており、今後もさらに機能を追加していく予定とした。

 Yahoo!動画検索については、近日中に公開予定のリニューアル版のサイトを実際のデモで紹介。リニューアル版のサイトではAjaxを採用し、検索結果の表示形式や検索条件の変更などが同一ページ上で行なえるようになる予定だという。

 Yahoo!の各サービスのAPIを開発者向けに提供している「Yahoo!デベロッパーネットワーク」では、現在約3,500人の開発者の登録があり、API経由でのアクセスは1日約60万回に上るという。WebサービスのAPI公開としては、日本語による仕様解説が用意されていることや、API経由でのアクセス回数制限が緩いことを利点として挙げ、今後はニーズに応じてすべてのサービスのAPIを提供すべく準備を進めていくとした。


関連情報

URL
  Yahoo! JAPAN
  http://www.yahoo.co.jp/

関連記事
検索エンジンはWebサーチから「ソーシャルサーチ」へ、Yahoo!井上氏講演(2006/04/20)
「際立つYahoo!検索のシェアは日本独特の現象」NetRatings萩原社長(2006/04/21)
Yahoo!検索、リニューアル後にPV数が急増~ネットレイティングス調査(2005/11/29)


( 三柳英樹 )
2006/06/13 20:50

- ページの先頭へ-

INTERNET Watch ホームページ
Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.