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「情報大航海プロジェクト・コンソーシアム」発起人集会
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日本の企業や研究所などが持つ検索・解析技術を集積し、次世代検索技術の研究開発などを目指す「情報大航海プロジェクト・コンソーシアム」の発足に先立ち、コンソーシアムの発起人による集会が16日に都内で開催された。コンソーシアムは三菱総合研究所を事務局として、企業や大学など38団体の参加により7月に発足の予定。
情報大航海プロジェクト・コンソーシアムは、経済産業省が2005年12月から開催している「ITによる『情報大航海時代』の情報利用を考える研究会」のメンバーが中心となって、次世代検索技術の研究開発のための産学官連携コンソーシアムとして発足する。
研究会では、インターネットにおける検索技術の分野はGoogleなどの米国企業による寡占状態となっており、日本の企業や研究所においてはこうした分野の研究開発が縮小傾向が見られると分析。これまでは企業や研究所などで個別に行なってきた研究を集結する形で、情報検索・解析等の「知的情報アクセス」分野に関する技術研究開発に取り組むコンソーシアムを発足。情報大航海時代の「羅針盤」となる技術の開発を目指すとしている。
コンソーシアムでは、次世代検索技術の研究開発や利用シーンの検討、普及広報などを行なうとしており、コンソーシアムでの検討結果を踏まえて2006年内には「情報大航海プロジェクト・センター」を設立する予定としている。情報検索・解析の基盤技術部分については、オープンソース化した上で、各利用者がその技術を利用して事業化していくという構造で検討を進めていくという。
発起人集会では、検索技術分野への国家的な取り組みとして、仏・独政府が共同で進める次世代検索エンジン開発プロジェクト「Quaero」なども紹介されたが、今回のコンソーシアムの具体的な目標や研究開発を進める技術などについては、正式発足前ということもあり、今後コンソーシアムで検討していくとしている。経済産業省の研究会で座長を務めている東京大学生産技術研究所の喜連川優教授は、「現在の検索エンジンはITの先端の知の融合であり、1つのアルゴリズムや技術だけで出来上がっているものではない。あらゆる情報分野を融合したことであれだけのサービスを作り出したということが、社会に対しても大きなインパクトとなった。研究会やコンソーシアムには多くのメンバーが参加しているが、次のインパクトのある情報産業は多くの人たちの知の融合によってできるものだと考えており、そこを模索していきたい」とコメントした。
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次世代知的情報アクセス基盤技術を開発し、オープンソースでの提供を想定する
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コンソーシアムでは、情報大航海時代の「羅針盤」となる技術の開発を目指すとしている
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関連情報
■URL
ITによる「情報大航海時代」の情報利用を考える研究会 第1回議事要旨
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0003477/index.html
ITによる「情報大航海時代」の情報利用を考える研究会 第2回議事要旨
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0003501/index.html
( 三柳英樹 )
2006/06/16 19:45
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