総務省の情報通信審議会は29日、「高速電力線搬送通信設備に係る許容値及び測定法」について答申した。2MHz~30MHzを使用して高速な電力線搬送通信(PLC)を行なう設備について、電磁妨害波に関する許容値と測定法を定めている。
日本では現在、10~450kHzの周波数帯域を利用したPLCが認められているが、より高速な通信が行なえる2~30MHzを使えるようにするための規制緩和について検討が進められている。しかし、2~30MHzの帯域を利用した高速PLCでは、漏洩する電波が既存の無線通信に影響を及ぼすことがわかっている。情報通信審議会では、情報通信技術分科会CISPR委員会の下に設けた「高速電力線搬送通信設備小委員会」において、1月からその許容値について議論してきた。
この小委員会が6月5日にとりまとめた内容が今回、情報通信審議会に承認され、総務省に答申された。答申では、1)非通信時の許容値は、パソコンなどのIT機器の許容値と等しくする、2)通信時における利用周波数帯(2MHz~30MHz)の許容値は、高速PLC設備から漏洩する電波の強度が離隔距離において周囲雑音レベル程度以下となるようにする、3)通信時の非利用周波数帯(150kHz~2MHz、30MHz~1000MHz)の許容値は、パソコンなどのIT機器の許容値と等しくする──との基本方針のもと、電磁妨害波に関する許容値が示されている。
総務省では今回の答申を受け、2~30MHzの開放を盛り込んだ省令案を作成する。作成された省令案の内容よっては、さらに電波監理審議会での審議を経ることになる。
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■URL
ニュースリリース
http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/060629_3.html
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( 永沢 茂 )
2006/06/30 17:24
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