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「我々が発見できなかったウイルスの検体を数多く集めることができた」と語るトレンドマイクロ日本代表の大三川彰彦氏
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トレンドマイクロは7日、ウイルスの検体を一般から募集する「ウイルスハンタープロジェクト」の表彰式を開催した。同プロジェクトは、同社製品の利用者・非利用者を問わずに、ウイルスの疑いのあるファイルを募集する企画で、2005年9月に開始した。
トレンドマイクロ本社で開催した表彰式では、検体を数多く提供した上位15人(団体含む)を表彰。同社によれば、15人が2006年6月末までに提供したウイルス検体は467種類、フィッシングメールは18種類に上る。なお、集まった検体はフィリピンのラボで解析され、新種ウイルスだと判明した場合は翌日までにウイルスパターンファイルに反映されているという。
同社日本代表の大三川彰彦氏は、「ウイルスハンタープロジェクトでは、我々が発見できなかったウイルスの検体を数多く集めることができた。検体の種類は、Antinnyやボット系、マスメール型、トロイの木馬など多岐にわたる。今後もネット利用者と活発にコミュニケーションを図りたい」と感謝の意を示した。
同社ウイルス解析者の岡本勝之氏は、「最近は、特定の人物や企業を狙う『スピア型』のウイルスが増え、検体の入手が難しくなっている。また、『Winny』を介して感染するウイルスなど日本独自のものは、ラボがあるフィリピンでは入手しにくい状況にある。そうしたなか、数多くの検体を提供してもらい大変助かっている」と語った。
ウイルスハンタープロジェクトで最も数多くの検体を提供したのは高校生男子で、Winnyや2ちゃんねるを介して感染するウイルスやボット系ウイルスの検体を中心に97種類の検体を提供した。「山田オルタナティブに誰も対応しないのか」と憤慨したことから検体を集め始めたという高校生は、主に知り合いや2ちゃんねるの有志から検体を入手しているという。
また、詐欺サイト上に仕込まれる「ワンクリックウェア」を中心に74種類の検体を提供した大学生は、自ら詐欺サイトにアクセスして検体を入手したという。大学生は、「検体を誤って実行してしまい、感染しそうになったこともある」と体験談を語ったが、「今後も、初心者がワンクリック詐欺にだまされないように、どんどん検体を発見したい」と述べた。
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ウイルスハンタープロジェクトの貢献者には、大三川氏より記念品が贈呈された
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記念品には、貢献者が発見した新種ウイルス名が刻まれている
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関連情報
■URL
ウイルスハンタープロジェクト
http://www.trendmicro.com/jp/security/virushunter.htm
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( 増田 覚 )
2006/07/10 13:07
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