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「ラグナロク」のゲームマスター、自社サーバーへの不正アクセスで逮捕

ゲーム内通貨を不正に取得し、RMT業者へ1,400万円で売却

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、同社の元社員が在職中に「ラグナロクオンライン」のサーバーに不正アクセスし、不正に取得したゲーム内通貨をRMT業者に売却していたことを明らかにした。19日、不正アクセス禁止法違反の容疑で逮捕されたことを受け、ガンホーは同日付でこの社員を懲戒解雇した。

 この社員は、実際にゲーム内のキャラクターを操作し、不正行為のパトロールやゲーム内イベントの企画などを行なう「ゲームマスター」の1人だった。ゲームデータを管理するサーバーへのアクセス権限は持っていなかったが、盗み見た直属上司のアカウントを使ってゲームデータ管理サーバーへ不正アクセスしていたことが判明している。これによりゲーム内通貨「ゼニー」を不正に作出し、借金返済と遊興費捻出のため、RMT業者に販売して利益を得ていたという。

 ガンホーは、ゲームデータの監視業務の過程においてゲーム内通貨の異常値を検出し、この社員による不正行為を3月24日に確認。社内調査を行ない、5月31日までに不正行為の全容を把握した。6月1日に警察に被害届を提出した後、7月19日の逮捕に至った。


【追記 20:00】

 ガンホーの社内調査によると、元社員がゼニーを不正に取得していた期間は2005年10月から2006年3月までの約5カ月に及ぶ。その総額は6,910億ゼニーに上り、これを自身がプライベートで保有する複数のゲーム内キャラクターに送金していた。発覚した時点で残っていたのは910億ゼニーだったため、6,000億ゼニーはRMT業者に売るなどしてすでに使用されたことになる。ガンホーの調査に対して元社員は、売却益は1,400万円になったと述べているという。

 ラグナロクオンラインでは現在、24のサーバー(ワールド)が運用されているが、元社員はすべてのワールドにキャラクターを保有しており、不正取得したゼニーをこれら複数のキャラクターに振り分けて送信していた。元社員が不正取得したゼニーは、流通しているゼニーの6~17%(ワールドにより異なる)を占めるほどの額だった。

 ガンホーでは今回の事件を受けて、社長ら管理監督責任者の減給処分などを実施したほか、業務用ツールの利用状況を監視するための部門の新設やアクセス権の絞り込み、管理体制の見直しなどを含む再発防止策もあわせて発表している。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.gungho.co.jp/press/089.html


( 永沢 茂 )
2006/07/20 13:40

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