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JPCERT/CCの歌代和正代表理事
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JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)は20日、2006年度の事業方針を発表した。事業方針では、1)企業等の組織内セキュリティ対策チームの構築支援、2)コンピュータセキュリティ早期警戒体制の強化、3)脆弱性情報流通事業の定着、4)海外関係機関との連携強化――の4分野を柱としている。
事業方針のうち、企業等の組織内セキュリティ対策チームの構築支援については、従来の無差別的な攻撃から特定の企業や組織を狙った攻撃へと変化している中で、各組織が独自にセキュリティ対策の専門チームを構築する必要性が高まっていると指摘。JPCERT/CCでは、こうした組織内のセキュリティ対策チームの構築を支援するとともに、チーム間や関連組織との連携が行なえる環境構築を進めるとしている。
コンピュータセキュリティ早期警戒体制の強化では、ボットネット対策の推進や、インターネット定点観測システムの改良などを進めていく。JPCERT/CCでは、インターネットセキュリティシステムズ、トレンドマイクロ、ラックの3社と共同で2005年度に実施したボットネットの研究結果を「ボットネットの概要」として公表。今後はさらにボットネットの実態研究結果や対策などを順次公開していく。
脆弱性情報については、情報処理推進機構(IPA)と共同で運営しているJVN(JP Vendor Status Notes)を拡充し、脆弱性への対応が必要なシステム管理者等に対策情報を適切に提供していくとしている。また、海外関係機関との連携については、アジア太平洋地域における各国のセキュリティ対応組織の構築を支援するとともに、海外の関係諸機関との連携を図るとしている。
JPCERT/CCの歌代和正代表理事は、2006年10月でJPCERT/CCが発足10周年を迎えるにあたり、この10年間での変化として「ユーザーの意識の変化」を挙げた。歌代氏は、「JPCERT/CCの発足当初は情報セキュリティに対する関心も低かったが、現在ではセキュリティ問題についての認識は高まっている。しかし、知っていることと、きちんと対策していることは別問題で、ユーザーの『自分だけは大丈夫』という思い込みが怖い。セキュリティ対策は他人事ではない」と語り、引き続きセキュリティ対策の重要性を訴えていきたいとした。
関連情報
■URL
ニュースリリース(PDF)
http://www.jpcert.or.jp/press/2006/RLS_20060720.pdf
ボットネット研究資料(PDF)
http://www.jpcert.or.jp/research/2006/Botnet_summary_0720.pdf
JPCERT/CC
http://www.jpcert.or.jp/
( 三柳英樹 )
2006/07/20 18:00
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