ソニーグループの1つでハリウッドの大手映画会社でもある米Sony Pictures Entertainment(SPE)は23日、YouTubeに次ぐ動画共有サイト第2位の米Grouperを6,500万ドルで買収したと発表した。著作権侵害などで対立しがちな動画共有サイト業界の企業をハリウッドの映画会社が買収するということは極めて異例の出来事で、今後の業界の進展に注目が集まりそうだ。
Grouperは、動画をアップロードして公開する機能もあるが、それだけのサービスではない。アップロードした動画や入手した動画をソーシャルネットワーキングサイトのMySpaceやFriendster、ブログサービスのBloggerなどに投稿したり、動画をPSPやiPodにダウンロードすることもできる。バックグラウンドではGrouperが独自に開発したP2P動画共有ネットワークがあり、高速・高品質の動画を共有できる。さらにビデオカメラやWebカメラで撮影した映像を簡単に編集するためのツールも開発して配布し、アップロードのしやすさに貢献している。
Grouperを買収した理由について、SPEのMichael Lynton会長兼CEOは「Grouperコミュニティの多くの人は動画を作るためにソニーのカメラを使い、ソニーのVAIOコンピュータとモバイルデバイスを使ってそれを保存したり視聴したりしている。GrouperをSPEの一部にすることによって、この輪を完結することは理にかなっている」とコメント。これが単なるSPE単体にとどまらず、ソニーグループ全体としての戦略の一環であることを指摘した。
現時点でGrouperのサイトやサービスに大きな変更が加えられる予定はないが、将来的には広告によって利益を上げるコンテンツや有料コンテンツビジネスへの参入も考慮に入れているとしている。
関連情報
■URL
Grouperのニュースリリース(英文)
http://www.grouper.com/about/pressrelease_sony.aspx
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/08/24 11:39
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