三菱重工業は23日、原子力発電所の検査情報がP2Pファイル共有ソフト「Winny」のネットワーク上に流出したことを明らかにした。同社高砂製作所に勤務する社員の私有PCがウイルス感染したことが原因だ。同社は2005年8月にも、発電所の検査情報を流出していた。
流出したのは、三菱重工業が作成した関西電力の原子力2次系配管の情報で、現地派遣者名簿、打ち合わせ議事録、検査受検依頼書、検査・点検関係の記録フォームなど。同社によれば、原子炉や核物質防護に関する致命的な設備――いわゆる“1次系”の設備に関連する情報は含まれていないという。
三菱重工業では2005年8月、高砂製作所が管理する発電所用タービンや水車に関する検査情報が、協力会社の技術者のPCからWinnyのネットワーク上に流出したことを発表。これを受けて、業務で私有PCを使用したことのある社員に対し、私有PCから業務関連ファイルを消去するように指示していたが、当該社員は一部ファイルを消去し忘れていた。
三菱重工業は、「昨年8月の情報流出に続き、再びかかる事案を発生させたことを真摯に受け止め、再発防止策の強化再徹底に全力で取り組む」とコメントしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(三菱重工業)
http://www.mhi-ir.jp/frmpage/060823_genshi.html
プレスリリース(関西電力)
http://www.kepco.co.jp/pressre/2006/0823-1j.html
関西電力(株)に対する情報管理の徹底に関する要請文の発出について(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/press/20060823002/20060823002.html
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( 増田 覚 )
2006/08/24 12:18
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