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米Microsoft、「Windows Marketplace」のダウンロード販売機能を強化


 米Microsoftは28日、「Windows Marketplace」サイトを新装オープンした。2004年にオープンして以来のリニューアルとなり、今回新たに「デジタルロッカー」というダウンロード販売を強力に支援する機能を追加した。Windows向けのソフトウェアを開発する企業にとって商品を販売しやすい環境を整えた。

 Windows Marketplaceの新装オープンに合わせて、Windows環境で使用できる15万点以上の商品が用意された。そのうち6万点以上はダウンロード可能なソフトウェアで、Microsoftでは将来的にWindows Marketplaceを世界一のダウンロード販売サイトにすることを目指しているという。

 Windows Marketplaceを利用するには、無料で利用できるMicrosoft Passportネットワークに加入している必要があり、Windows Live IDと連動することによってクレジットカードによる商品の購入のほか、ライセンスキー、店舗や企業との連絡事項などの管理を行なえる。

 ユーザーインターフェイスも大幅に改良された。標準規格に則ったCSSの採用などによって、新しいInternet Explorer 7でWindows Vistaに合った華やかなユーザーインターフェイスを実現するだけでなく、Firefoxなどそれ以外のブラウザでも問題なく動作するようにサイト全体が設計されている。また、ほとんどのページにRSSフィードが用意されており、商品に付けられたカスタマーレビューの内容を追跡したり、その商品を扱っている業者での価格を比較・追跡できるようになっている。


新しく導入した「デジタルロッカー」機能
 今回導入されたデジタルロッカー機能は特にソフトウェアをダウンロードして購入する場合に威力を発揮する。Windows MarketplaceではDigital River、Handango、Kagi、Tucowsなど複数のダウンロード販売サイトと提携している。これらの提携サイトからソフトウェアを購入できるが、デジタルロッカーによってこれまでに購入したソフトウェアの履歴が逐一保存される。保存されるデータには購入した日付や価格だけでなく、最も重要となるライセンスキーなどの情報があり、後からでもいつでも取り出すことができる。これによってライセンスキーをなくしてしまい、購入し直すという問題が避けられる。また、ダウンロードが途中で途切れてしまった場合などの状況にも対応できるよう、複数のダウンロード方法を設けている。

 Windowsより前のソフトウェア開発の現場ではデバイスドライバや機種ごとの違いなどに合わせて複雑な開発を行なう必要があったが、Windowsの登場によってそうした苦労はなくなり、中小のソフトウェア企業にとっても開発作業が大幅に楽になった。しかしその後、Windowsが登場して以来、現在に至るまでソフトウェアを販売する方法に大きな変革は起こっていない。特に中小企業にとっては商品をパッケージし、出荷することに伴う経費は大きな参入障壁となっていた。

 ソフトウェアのダウンロード販売が非常に便利になれば、こうした中小企業にとってもWindowsプラットフォーム向けのソフトウェア開発は大きな魅力となりうる。そのためにWindows Marketplaceでは、ダウンロード販売で最も大きな障壁となっているライセンスキーの紛失やダウンロードの失敗といった問題をこのデジタルロッカーで解決する。それだけでなく、安全なダウンロード販売サイトを運営できない中小企業の市場規模を広げるということがMicrosoftの大きな狙いだ。


関連情報

URL
  Windows Marketplace(英文)
  http://www.windowsmarketplace.com/
  ニュースリリース(英文)
  http://www.microsoft.com/presspass/press/2006/aug06/08-28ESDIntegrationPR.mspx


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/08/29 12:19

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