KDDIは13日、「DION」の顧客情報約400万件が流出した事件で、流出経路についての調査結果を発表した。顧客情報を外部に持ち出したのは、DIONの顧客情報管理システムの開発業務を委託していた会社の取引先社員だったという。
この事件は、2003年12月18日までに申し込みのあった399万6,789人分の顧客情報が流出したというもの。これらのデータを入手した男性2人(A、B)が2006年5月、KDDIに接触してきたことで発覚。警視庁が6月13日にAとBを恐喝未遂容疑で逮捕したのを受け、同日KDDIが顧客情報が流出した事実を公表していた。なお、AとBについては9月7日、東京地方裁判所において懲役3年6カ月の論告求刑がなされているという。
KDDIによると、データの流出元となった開発業務委託先の取引先社員(C)は2003年12月、顧客情報を収納したPCを自宅に持ち帰って作業を行ない、作業終了後もデータを保存していた。そのデータを2006年4月に知人(D)に渡し、その後、恐喝未遂容疑に問われているAとBにデータが渡ったとしている。
KDDIでは9月8日、CとDを著作権法違反で告訴し、これを受けて警視庁では13日、同法違反で2人を書類送致した。KDDIによると、データベースに保存されていた同社の著作物と言えるデータを、著作権者に無断でコピーしたと判断したという。
なお、CとDが所有していたPCや、AとBの関係者が持っていた顧客情報はすべて捜査の過程において回収されているという。KDDIでは、顧客情報の悪用や第三者への流出の恐れがないことが確認されているとしている。
KDDIでは、小野寺正代表取締役社長兼会長の月例報酬を3カ月間20%返上するなどの社内処分を行なったことも発表した。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2006/0913c/index.html
関連記事インデックス:KDDI顧客情報流出事件
http://internet.watch.impress.co.jp/static/index/2006/06/16/index.htm
( 永沢 茂 )
2006/09/13 16:57
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