米QUALCOMMと米Mozilla Foundationは11日、メールクライアント「Eudora」のオープンソース版を開発する計画を発表した。現在は有料販売されているEudoraを、将来的には無料化する。オープンソース版Eudoraは、Mozillaのメールクライアントである「Mozilla Thunderbird」と同じテクノロジープラットフォームの上に開発されることになるという。
QUALCOMMは携帯電話の基幹技術や関連技術の開発を本業とする企業であり、Eudoraのようなメールクライアントの開発やサポートは本業との直接的な関わりがないため、本業に注力するためにオープンソース化を決定したという。オープンソース化によりQUALCOMMは、Eudora事業から撤退する一方で、ユーザーに対してはオープンソースコミュニティを通じてサポートと機能改良などの開発を促進することができると考えている。
Eudoraはオープンソース版が発表されると同時に無料化される予定だ。その時期は2007年上半期と予定されている。QUALCOMMでは、それまでの期間に有料で販売する最後のバージョンを10月11日に発表した。価格は19.95ドルで、6カ月間のテクニカルサポートが付随する。
現在Eudoraのユーザーで、広告が表示されるスポンサードモードを使用しているユーザーは今後もそのまま使用を継続できるが、オープンソース版開発段階のいずれかの時期に広告表示は停止される予定だ。
QUALCOMMのEudoraグループのテクノロジー担当副社長であるSteve Dorner氏は「Mozilla ThunderbirdテクノロジープラットフォームをEudoraの将来のバージョンの基盤として使用することにより、既存のバージョンに欠けていた重要なインフラ、例えばクロスプラットフォームなコードベースや世界クラスのディスプレイエンジンが入手できることになる」とコメント。この決定がEudoraユーザーにとってメリットがあることを強調している。
関連情報
■URL
QUALCOMMとMozilla Foundationによるニュースリリース(英文)
http://www.mozilla.com/press/mozilla-2006-10-11.html
Eudoraオープンソース化についてのFAQ(英文)
http://www.eudora.com/faq/
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・ ソニック・ソルーションズ、Eudora日本語版のサポートは今後も継続(2006/10/12)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/10/12 11:54
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