イー・アクセスは17日、記者向けの懇親会を開催した。会では千本倖生代表取締役会長兼CEOが、モバイル事業への取り組みや、FTTH事業への課題に関して自身の考えを示した。
● 「海外からはMNP以上に新規参入が注目されている」と千本氏
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イー・アクセスの千本倖生代表取締役会長兼CEO
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海外のイベントから日本へ戻ってきたばかりという千本氏は、日本と海外での携帯電話に関する注目ポイントの違いを指摘。「日本ではモバイルナンバーポータビリティ(MNP)ばかりが騒がれているが、海外ではMNPについてほとんど質問されなかった」と語り、「それよりも、設備も持たないベンチャーであるイー・モバイルが1,000億円以上の資金を集め、13年ぶりに携帯電話事業へ参入するということが、MNP以上にショッキングなこととして捉えられていた」とコメント。「海外ではMNPがすでに始まっているが、それほど大きな影響は出ていない。日本は世界の動向と比べてギャップがある」との感想を示した。
日本の経済についても触れ、「過去12カ月に日本で上場した企業の数は、米国の10倍にも上るという話を聞いている」と指摘。「昔の新規上場企業数は米国の1/100程度だったことに比べると大きな成長で、欧米でも驚かれているようだ」と続け、「中でも1,000億以上の資金を集めたベンチャーは世界でも例がない」とイー・モバイルへの自信を示した。
同日に発表されたイー・モバイルの新たなロゴについても説明。赤を基調としたデザインはモバイルにおける無限の可能性、イー・モバイルの挑戦の力強さを示すほか、シャープではあるがどこか優しさも持つ丸みを帯びたデザインを採用したと語った。また、「赤は赤だがボーダフォンの赤とは違うビビッドな赤」とした上で、「ボーダフォンがソフトバンクに変わって空いた赤を使って事業を展開していきたい」と語った。
● 「Web 2.0的な発想のサービスと通信の発想のどこで手を打つか」
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イー・モバイルの新ロゴ
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イベントでSkypeのCEOを務めるニクラス・センストローム氏と同席したという千本氏は、「日本にいてはわからないが、海外ではSkypeに関する議論が非常に盛んで、Skypeの電話端末も数多く出ている」と説明。「日本はまだ動きが遅いが、いずれはSkype支配の時代が来るだろう、それはもはや止められない」との展望を示しつつ、「すでに電話網を持っている既存のモバイルオペレーターには厳しいだろうが、Skypeを排除するのは間違いだろう。難しい問題だが、Skypeも使えつつ、インフラ構築へのインセンティブをいかに持たせるかというバランスが重要になる」とした。
モバイルサービスでは、個人ユーザーの無線LANアクセスポイントをインフラとして活用するプロジェクト「FON」が日本でのサービス準備を進めているが、千本氏は「普及するかどうかはわからないが、非常に面白いサービス。日本への上陸も大歓迎だ」とコメント。「インフラをタダ乗りされているという議論はあるかもしれないが、Web 2.0的な発想と通信の発想のどこで手を打つかは重要なポイント。あまり禁止的に物事を進めるべきではない」との考えを示した。
● FTTH市場は「NTTグループの準独占につながる」と問題意識
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2006年第2四半期にはFTTHが成長した一方でADSLが初の純減
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総務省の発表によれば、2006年6月末におけるブロードバンドサービスではFTTHが84万7,900件の純増で600万件を突破した一方、ADSLが初めて純減に転じた。これに対して千本氏は「FTTHが伸びているのが、NTTグループが巨大な販促力で異常なまでに力を注いでいるから」との考えを示した一方で、「FTTHが敷設されているのは都市部が中心で、地方との格差がますます大きくなっている」と指摘。「FTTHは普及しているのではなく、ADSLを置き換えているだけ。実際にはコストも高く収益にもつながっていない」との問題意識を示した。
FTTHサービスで大きなシェアを持つNTTグループに対しては「競争がないFTTH市場でNTTが準独占的な位置にいる」とし、「日本のADSLは競争をしていくことで成長してきたが、FTTHのようにNTTだけが残るのでは市場がネガティブスパイラルに動いてしまう」とコメント。「健全な競争を促進するための国の施策も必要だろう」とした上で、「ADSLを盛り上げる為の施策もいくつか考えている」と語った。
なお、イー・アクセスでは、UCOM回線を利用したFTTH事業への参入検討を表明しており、2006年秋のサービス提供に向けて検討を進めている。これに対して千本氏は「UCOMとの提携はISPとして対応するというだけのこと。FTTH回線を敷設して本格的に展開するということではない」と説明した。
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「FTTHの整備状況はごく一部」と指摘
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NTTによるFTTH化への懸念
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関連情報
■URL
ニュースリリース(新ブランドロゴ)
http://www.emobile.jp/cgi-bin/press.cgi?id=441
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( 甲斐祐樹 )
2006/10/17 21:04
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