国連がユーザビリティコンサルティング会社の英Nomensaに委託して行なった調査により、世界のWebサイトの97%が最低限のアクセシビリティの基準に達していない状況が明らかになった。調査対象となったのは日本や米国、英国、アルゼンチン、チリ、ケニアなど20カ国だ。
調査は、World Wide Web Consortium(W3C)が策定したWeb Content Accessibility Guidelines 1.0(WCAG 1.0)に合致しているかどうかを手動・自動手法を組み合わせることによって実行された。調査対象となったWebサイトの種類は20カ国の政府、航空会社、銀行、新聞社、小売業者で、1カ国あたり5サイト、合計100サイトが調べられた。
今回の調査で合格点を得たのはわずかに3サイトで、それはドイツ首相のサイト、スペイン政府のサイト、イギリス首相のサイトだった。
不合格だったサイトの問題点として、さまざまな事例が報告された。93%は画像に適切な説明文を提供しておらず、視覚障害者にとって大きな問題となった。73%はそのサイトの重要な機能にJavaScriptを使用しており、およそ10%のインターネット利用者が重要な情報を入手できない状況だという。78%は前景色と背景色のコンビネーションが悪いためにコントラストが非常に悪く、色覚障害者や比較的軽い視覚障害者にとって情報入手を困難にしている。98%はプログラムコードそのものがWeb標準規格に則っておらず、97%はサイトのデザインに固定サイズを使用しているためにテキストやページの大きさを自分の見やすいように変更できなかった。89%は文書構造を記述するための適切な見出しを付けなかったために、視覚障害者がページをナビゲートするのを困難にしていた。また、87%はユーザーに警告することなくポップアップウィンドウを使用していた。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.nomensa.com/news/at-nomensa/2006/12/nomensa-publishes-global-audit-with-united-nations.html
関連記事:身障者がアクセスしやすいWebコンテンツを~W3Cがガイドライン
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/1999/0506/w3cwcag.htm
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/12/06 12:43
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