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学研、出版とネットのクロスメディア事業を開始。22の連動サイトを開設


学研の遠藤社長

クロスメディアサイト一覧
 学研は12日、紙媒体とインターネットを結び付ける「クロスメディア事業」を本格開始した。雑誌等と連動する22のWebサイトを新たに立ち上げ、幅広いジャンルのコンテンツを複数のメディアで発信。それらを横断的に提供することで市場拡大を狙う。

 クロスメディア事業とは、学研が有するコンテンツ制作ノウハウを生かし、出版・教育事業などの既存事業と、PCや携帯電話などのデジタルメディアを連動させるもの。コンテンツを各メディアの特性に合った形で提供するだけでなく、ジャンルを横断したサービスを提供することで、ビジネスチャンスの拡張を図る。

 コンテンツを複数のメディアで展開する場合、例えば、雑誌に掲載された料理レシピをもとに、連動したサイトで献立リストや食材リストを作成したり、レシピをデータベース化し、食材からメニューを検索することが可能になる。また、献立に必要な食材を買い物リストとして携帯電話へ送信するサービスも考えられる。

 各ジャンルのコンテンツを横断したサービスとしては、例えば、育児情報を配信する場合、カメラ情報サイトで子供の撮影テクニックを紹介したり、カー情報サイトで子供のいる家庭向けの車紹介などが行なえる。さらに、学研の教育情報サイトと連携し、各種教育情報の紹介などを行なうことで、リアルの事業へ誘導する。


コンテンツを複数のメディアで発信 関連コンテンツを複数のメディアで受信 女性向けコンテンツと教育の事業連携

 まず、女性向けコンテンツのクロスメディアを実現する中心的なサイトとしてコミュニティポータル「kurasse(クラッセ)」を2007年1月末に開設する。クラッセでは、SNS、ブログ、フォトアルバムといった機能を提供。暮らし、料理、健康、ダイエット、育児などの雑誌およびサイトとも連動する。また、学研教育総合サイトを2007年2月上旬に開設し、母親向け教育コンテンツをクラッセと共有する。

 このほか、クロスメディアに関するキャンペーンを2007年2月上旬から開始する。「進化する学研」のPRを目的としたもので、宣伝費用に約3億円を投じ、新聞やWeb媒体などへの広告出稿、キャンペーンサイトの開設を予定する。学研では、クロスメディア事業の収益として、2009年3月期までに広告で15億円、コンテンツ配信・販売で8億円、物販で5億円、eラーニングやモバイルコンテンツの課金で2億円、合計30億円の売上げを目指す。

 学研の遠藤洋一郎代表取締役社長は、「PCやモバイルにおけるインターネットの普及は、出版業界で60年間やってきた学研にとって活動の場面を拡大するチャンスだと考える。従来から扱っているコンテンツの幅広さがクロスメディアを展開する上での大きな強み。今後は、メディアに適した表現方法で、あらゆる情報を発信していく」とした。また、ネット上で展開する一番の目標は「集客」だという。「集客によって巨大なデータベースを構築し、コンテンツとデータベースを基軸とした事業展開を目指す」と述べた。


クラッセ クラッセのマイページ 学研教育総合サイト

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URL
  ニュースリリース
  http://www.gakken.co.jp/news/20061212.html

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( 野津 誠 )
2006/12/12 18:20

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