P2Pサービスを使用して動画をダウンロードしたことがある米国のインターネットユーザーは、有料ダウンロード販売サイトからの動画購入経験者の約5倍に上ることが、NPD Groupの最新調査結果で明らかになった。
この調査によると、定期的にインターネットを利用する成人がいる米国の世帯のうち、2006年第3四半期中にP2Pサービスを使用して10MB以上の動画ファイルをダウンロードしたことがある世帯は全体の8%(約600万世帯)だった。これに対して同期間中にダウンロード販売サイトから有料動画を購入した世帯数は全体の2%(約120万世帯)にとどまった。
なお、P2Pサービスを使用してダウンロードされた動画の60%はアダルトコンテンツで、20%がテレビ番組、5%が映画だった。
こうした傾向についてNPD Groupの副社長で上級業界アナリストのRuss Crupnick氏は「P2Pによる動画ダウンロードは今のところ音楽よりは普及していないが、映画業界が注意しておくべき重大な問題だ。今はダウンロードされた動画コンテンツの多くはアダルトコンテンツだが、主流の映画会社、映画ネットワーク、レコードレーベルから盗まれる知的財産の量は海賊行為を防ぐための強力で持続的な行動が取られない限り、今後増加し続けていくだろう」とコメントしている。
動画の有料ダウンロード販売サイトで圧倒的なシェアを有しているのは米Apple ComputerのiTunes Storeで、購入経験者の9割が利用していた。そのほかではVongoが5%、Movielinkが3%で、CinemaNowは1%に満たなかった。購入されたコンテンツのうち62%はテレビ番組、24%がミュージックビデオ、6%が映画だった。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.npd.com/press/releases/press_061220.html
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・ P2Pと合法的音楽ダウンロードが激しくせめぎ合う~米NPD調査(2005/06/24)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2006/12/21 12:21
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