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受賞者と作家の阿部和重氏
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ヤフーは18日、「第2回 Yahoo! JAPAN文学賞」の受賞作品を発表した。Yahoo! JAPAN賞には、やまもとはるみ著「FUNFUNFUNを聴きながら」、選考委員特別賞には、白井愛子著「エボリューション」が選ばれた。
Yahoo! JAPAN文学賞は、ヤフー、パブリッシングリンク、小学館ら3社が2005年に共同で創設した文学賞。2回目となる今回は「メール」をテーマにし、Yahoo! JAPANの特集サイトで2006年8月16日から10月3日まで作品募集を行なった。
今回の応募数は1,416作品。その中から選ばれた5作品に関して、サイト上での一般投票を行ないYahoo! JAPAN賞を決定した。投票期間は11月28日から12月20日までで、4,276票が集まった。このほか、芥川賞作家の阿部和重氏選出によって選考委員特別賞を決定した。
Yahoo! JAPAN賞は「FUNFUNFUNを聴きながら」で、4,276票中1,476票を獲得した。同作は、脳出血で倒れ寝たきりになった夫と、介護する妻の関係を描く。体が不自由な夫とのコミュニケーション手段としてメールを使う。特集サイトでは、ユーザーが作品への感想を書き込める。同作には、物語に共感したユーザーからのメッセージが多く寄せられたという。
著者のやまもとはるみさんは、「仕事とプライベートのことでいろいろ考えているときに、ヤフーから文学賞ノミネートのメールが届いた。人を幸せにするメールは本当にあるのだと思いました」とエピソードを話した。また、ヤフーの影山工サービス統括部長は、「今回は第1回に比べて応募数は少なかったものの、質は高まっていた。このような作品が選ばれたことは我々にとっても光栄」と表彰のコメントを述べた。
一方、選考委員特別賞の「エボリューション」は、霊長類研究所に勤務する海藤と、メールをするチンパンジーの交流を描いた作品。著者の白井愛子さんは、「一般投票が始まってから、パソコンに噛り付いて行方を見守っていた。自分でも好きな作品なので選ばれて嬉しい」と受賞の感想を話した。続編も執筆中だという。また、同作を選んだ阿部氏は、「小説の形式を考え抜かれて書かれた作品で、難易度の高い試みに挑んでいる」と選考理由を述べた。
なお、今回の受賞作を含む全ノミネート作品は、Yahoo! JAPAN文学賞特集サイトでHTMLかPFD形式で閲覧可能。さらに、小学館が発行する文芸誌「きらら」2月号にも掲載される。加えて、パブリッシングリンクが運営する電子書籍配信ポータルサイト「Timebook Town」にて、2月2日から2月16日まで無料公開される。
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FUNFUNFUNを聴きながらのやまもとはるみさん
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エボリューションの白井愛子さん
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作家の阿部和重氏
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関連情報
■URL
Yahoo! JAPAN文学賞
http://bungakushou.yahoo.co.jp/
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・ ヤフー、小学館らが「Yahoo! JAPAN文学賞」を創設、受賞作品は電子書籍化(2005/07/14)
( 野津 誠 )
2007/01/18 20:51
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