NECは26日、IP電話を使ったスパム「SPIT(SPAM over IP Telephony)」を撃退する技術「VoIP SEAL」を開発したと発表した。同社のVoIPソリューションとして早期実用化を目指す。
VoIP SEALでは、人間からの電話かスパム生成ソフトによる電話かをSIPサーバー内で判別。利用者の端末のコール音を鳴らす前に、SPITを検知して遮断するという。具体的には、対話プロセスに基づいて通話相手が機械なのか人間なのかを判断する「チューリングテスト」という手法を用いる。NECヨーロッパネットワーク研究所で擬似的に発生させたSPITでの実験では、99%のSPITを撃退できたとしている。
NECによると、ボットネットでスパム生成ソフトを動かすことで容易にSPITを作成できるという。メールのトラフィックにおいてはすでにスパムメールの方が通常のメールよりも多いのが現状であることから、SPITも同様の状況になれば、電話が常に鳴り続けることになり、利用者が受ける被害はスパムメールの比ではないと指摘している。
NECでは同日、東北大学電気通信研究所と共同で、盗聴に強いインターネット音声通信を可能にする技術の実証実験を行なったことも明らかにした。これは、理論的に推定不可能な複数のサブデータによって、データを表現し直す「秘密分散共有理論」と、インターネット上の2地点間を複数のルートでデータ転送する「マルチパスルーティング技術」を融合したものだという。今回、そのシステムの実装を完了し、実証実験で有効性を確認したとして、早期の実用化を目指すとしている。
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■URL
ニュースリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0701/2604.html
ニュースリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0701/2605.html
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