米IBMは26日、インターネットで買い物をする時に個人情報を開示せずに商品やサービスを購入できるようにするためのソフトウェア「Identity Mixer」を、チューリッヒにある同社の研究所が開発したと発表した。
Identity Mixerは、信頼できるサードパーティが発行するデジタル証明書を使用することによって目的を達成する。例えばインターネットである店舗から買い物をするとしよう。普通はクレジットカード番号を入力しなければならない。Identity Mixerではその代わりに銀行からクレジットカード番号と有効日付などを暗号化したデジタル証明書をユーザーに発行してもらう。Identity Mixerはそれを受け取り、ユーザーが店舗に証明書を転送できるように加工する。
ここで高度な暗号アルゴリズムが使用される。Identity Mixerが間に入ることによって、店舗は銀行が確かにこの取引を承認していることを確認でき、ユーザーは個人情報を店舗に公開しないで済む。次に買い物する時にはまた別の暗号化されたデジタル証明書が使用される。Identity Mixerのプロトタイプでは、この一連の取引をわかりやすく行なうようにするためのユーザーインターフェイスも備えている。
IBMは、Identity Mixerをオープンソースプロジェクトである「Eclipse Higgins」プロジェクトに提供することも発表した。このプロジェクトはオープンソース団体のEclipseが運営し、ハーバード大学法科大学院バークマンセンターが開発した概念をベースに個人情報管理を高度に行なうためのソフトウェアを開発している。特に、これまで銀行、役所、店舗などが独自に管理していた個人情報をユーザーが自分の手元に管理できるようにする技術の開発を行なっている。Identity Mixerソフトウェアは、このHigginsプロジェクトのフレームワークをより一層ユーザー中心に変えていくために重要な役割を果たすものと期待されている。そのほかにIBMは、同社のTivoliソフトウェアポートフォリオにIdentity Mixerを組み込むことも計画している。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www-03.ibm.com/press/us/en/pressrelease/20974.wss
Identity Mixer(英文)
http://www.zurich.ibm.com/security/idemix/
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/01/29 11:58
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