欧州電気通信競争協会(ECTA)が発表した統計調査結果によると、2006年第3四半期における欧州のブロードバンド普及率は14.8%で、半年間の成長率は7%だった。前年同期の成長率は23%だったことから、成長率が鈍化し始めていることを示すものとして注目される。
この調査は四半期ごとに行なわれているもので、大きな調査は半年ごとに行なわれる。普及率で見ると、デンマークの30.3%、オランダの29.8%、フィンランドの26.0%、スウェーデンの24.4%などが上位に挙がっている。他方、欧州連合(EU)に最近加盟した旧東欧諸国の普及率が低い。EUに加盟した時期が早かったEU15と呼ばれるグループでは16.3%であるのに対して、最近加盟したEU10では6.8%に過ぎない。なお、同時期の統計によれば、米国は19.0%、日本は18.7%となっている。
しかし、成長率となると旧東欧諸国が軒並み2桁を記録し、チェコに至ってはこの半年で倍増するなど、2006年に入ってから急激に普及しているようだ。他方、英国ではこの半年間で成長率が25%減少するなど、先進国では減少する国も出始めている。英国における成長率の減少は、EU全体の成長率を7%に減少させた主な原因といってもよい。
欧州では、ブロードバンドに対して満足なコンテンツを提供することができない国では成長率が下がる傾向があると言われていたが、今回、英国でその結果が表われたようだ。フランスではこの問題をコンテンツ提供の改善によって回復したとされており、今後、ブロードバンドのさらなる普及にはコンテンツの充実が求められそうだ。
関連情報
■URL
調査結果(英文)
http://www.ectaportal.com/en/basic650.html
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( Gana Hiyoshi )
2007/02/05 13:32
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