米小売最大手のWal-Mart Storesは6日、動画ダウンロード販売サービスのベータ版を発表した。ベータ版とはいえ、すでに3,000タイトル以上の映画やテレビ番組の販売が開始されている。
映画はDVDの発売日に同時にダウンロード販売が開始され、価格帯は12.88ドルから19.88ドル、過去に発売されたDVDは7.50ドル、テレビ番組は1話あたり1.96ドルとなっている。
さらに特別な映画に限定してDVDとダウンロードのバンドル販売が行なわれる。これは、すでに2006年に「Superman Returns」キャンペーンで採用された実績のある販売スタイルだ。この場合、家ではDVDを鑑賞し、外出時にはダウンロードした映画のファイルをノートPCやポータブルデバイスで鑑賞できるようになる。
動画のダウンロード販売市場では、CinemaNow、MovieLinks、Amazon Unboxなどプレーヤーが徐々にそろいつつあるが、その中でもWal-Martはすべてのメジャーなハリウッド映画会社と提携する大手小売業者としては初めてのサービスとなる。
Wal-Martが提携した映画会社は、20th Century Fox、Disney、Lionsgate、Metro-Goldwyn-Mayer Studios(MGM)、Paramount Pictures、Sony Pictures Entertainment、Universal Studios Home Entertainment、Warner Bros.である。そのほかにもテレビネットワークとしてComedy Central、FOX、MTV、Warner Bros.など合計15社と提携している。
6日のサービス開始にあわせてWal-Martでは「プラダを着た悪魔」や「ミッションインポッシブルIII」などの最近のタイトルをそろえた。13日にはWarner Bros.による「デパーティッド」、20日にはアカデミー賞にノミネートされている「バベル」をリリースする予定だ。
● HPが提供する動画ダウンロード販売システムの第1号店
Wal-Martの動画ダウンロード販売サービスは、米Hewlett-Packard(HP)が新たに立ち上げたビジネス部門「HP Video Merchant Services」が手がける第1号店となる。動画ダウンロード販売を手掛けようとする企業に対して、サービスを行なうために必要なシステムをHPが提供するという仕組みだ。
HPのシステムでは好みの映画を探しやすくする仕組みが備わっている。まず好きな俳優、監督、映画を選ぶことによって関連する映画をリストアップしていくことができる。また、その時の気分によってロマンチックな映画、面白い映画などの項目をクリックすることによって映画を選ぶことも可能だ。
HPのサービスはWindows(Windows Vista、Windows Media PlaysForSureポータブルデバイスを含む)に対応している。Wal-Martの動画ダウンロード販売サービスも同じ機器に対応している。
Wal-Martの動画ダウンロード販売ページは現時点でInternet Explorer(IE)にしか対応していない。例えばFirefoxで閲覧するとブラウザがサポートされていない旨が表示され、画面が大幅に崩れてしまう。将来、正式サービス開始時にIE以外のブラウザがサポートされるのかどうかについては定かではない。なお、Wal-Martのこのサービスは現在米国内でしか利用できず、購入には米国で発行されたクレジットカード番号、米国内からアクセスしてしていることを示すIPアドレスが必要となる。
関連情報
■URL
Wal-Martの動画ダウンロード販売ページ(英文)
http://www.walmart.com/videodownloads
Wal-Martのニュースリリース(英文)
http://www.walmartfacts.com/articles/4799.aspx
HPのニュースリリース(英文)
http://www.hp.com/hpinfo/newsroom/press/2007/070206a.html
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/02/07 12:40
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